エドワード・テナー: 意図せぬ結果(TED Talk)

テーマ:社会
キーワード:失敗、好奇心、イノベーション
おススメ度:★★★(テーマに興味があるなら見るべき。)
URL:エドワード・テナー: 意図せぬ結果

独立系のライター"エドワード・テナー"

エドワード・テナー(Edward Tenner, 1954年8月16日 - )は、シカゴ大学で歴史の博士号を取得。独立系のライター、スピーカーで技術の歴史の分析を行なっている。著書『逆襲するテクノロジー: なぜ科学技術は人間を裏切るのか』では、健康と医療、環境、オフィス、スポーツなど、さまざまな分野でわれわれの生命すら脅かしている「報復作用」の実態を明らかにし、その危険性を警告している。

意図せぬ結果が世界を変える

あらゆる新発明は、期待通りにせよ予期せぬ結果にせよ世界を変えます。歴史家のエドワード・テナーは、人間が発明をする能力と結果を見通す能力の間に存在するギャップが過小評価されていると説く。

農業も予期せぬ結果で広がった

1万年前、農業を始めるかどうかについて、技術評価をする審査委員会があったら「諦めるべきだ」という結論になっていたはず。その頃の農業は、寿命は短くなるし、女性は厳しい労働に課せられるし、政治的にも厄介になることが明確であったため。

要点抜粋

私は常に意図せぬ結果を望んではいませんが その価値は認めようとしています。一見ひどい結果に見えたとしても進歩のための本質であることが判ってきたからです。

ゼロックス・コピー機の起源です。これを発明したチェスター・カールソン氏は特許弁護士でした。しかし彼は特許調査の仕事を望んだわけではありません。彼は特許書類の複製の質の悪さとコストの高さが不満でした。そこで乾式の複写印刷の開発 開始しました。特許取得は1930年代後半ですがようやく商業的な実用化に 漕ぎ着けたのは1960年でした。このようにして混乱の影響を受けて当初目指した経歴を断念した人が別の仕事に就いて創造性や能力を発揮することがあるのです。恐慌などの不幸なできごとが逆にかえって 創造性を高めることが知られています。

このことの意味は意図せぬ結果について新しい見方が必要だということです。

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逆襲するテクノロジー―なぜ科学技術は人間を裏切るのか

ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」

テーマ:社会
キーワード:教育、子ども、好奇心
おススメ度:★★★★(TEDに興味があるなら見るべき。定番。)
TEDリンク:ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」

教育界のリーダー"ケン・ロビンソン"

ケン・ロビンソン(Sir Ken Robinson-1950年5月4日) は創造性の開発の国際的に認められたリーダー。非営利団体で教育に関するプログラムを展開。今回の講演は、2006年のTEDにおける今や伝説的となった講演。洞察に満ちユーモアあふれる講演で、型にはまった学校教育は人間本来の創造性を殺してしまっていおり、子供の個性を重んじる教育が必要であると説く。

個性を生かし天才ダンサーとなったジリアン

創造性は識字能力と同じくらい教育に必要。 創造力と識字力を同等に扱うべき。知恵遅れであったジリアン・リンは「考えるのにまず体を使わなくちゃいけない」子供だっただけ。神様の絵を描いて先生に見せようとする子供、独自のストーリーで演劇を楽しむ子ども。子どもたちは皆、比類のない才能と創造性を持っている。彼らの創造性が私たちを予測不可能な世界に連れていく。薬漬けにしておとなしくさせることが大人の役目ではない。子供をあるがままに育てるということ。創造性を殺さないことが大切。

子どもたちは間違いを恐れない

間違えることを恐れていたら 決して独創的なものなど思いつかない。子どもは間違いを恐れないからはいはいに挑戦し、歩けるようになる。

要点抜粋

教育が人間本来の創造性を殺してしまっている ピカソはかつてこう言いました。「子供はみな生まれながらのアーティストだ」。問題は成長しながらどうやってアーティストたり続けるか 我々は創造性を育てるどころか見失い創造性の欠落した教育を受けている。

今の教育制度は学者を育てるために作られている。1つは働くために有用な科目が最優先ということ。2つ目は学力。学校の成績だけが いまや知性だと思われている。世界中に広がる今の学校教育が 大学に入るために敷かれた長い道のり。その結果、無数の天才的で創造性溢れる人たちが「自分は才能がない」と感じてしまう。 る

私たちに残された唯一の方法は人間の限りない創造性が私たちの生を豊かにすることを知り、子供たちが未来の希望であると認識すること。子供をあるがままに育てなくてはいけません。私たちの役割は 子供たちが未来を創る支えとなることです。

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才能を引き出すエレメントの法則(著書)
ケン・ロビンソン卿:教育に革命を!(TED Talks)

セバスチャン・ウェルニッケ 「TEDトーク1000個、6つの単語で」(TED Talk)

テーマ:社会
キーワード:TED、好奇心、ネタ
おススメ度:★(おススメしない)
URL:http://www.ted.com/talks/lang/ja/sebastian_wernicke_1000_tedtalks_6_words.html

TEDの1,000個の動画を6語に集約(笑)

生物学のネットワークを分析"セバスチャン・ウェルニッケ"1,000個あるTEDを要約して、更にカテゴリーごとにまとめて要約。最後に、もう一度要約し、文字情報を99.75%カットしすると、なんとたった6単語に要約することが出来た。

以下がネタばらし。(オチを見たい方は反転を)

英語:"Why the worry I'd rather wonder."
日本語訳:「なぜ悩むのか むしろ不思議だよ

要点抜粋

TEDには今や1,000個以上のTEDトークがあります。ここには問題があると思うのです。1,000個ものTEDトークということは「広める価値のあるアイデア」が1,000個以上あるのです。一体どのようにして 1,000個のアイデアを広めますか? たとえ全部のTEDトークを見て アイデア全てを頭に入れようとしても これを実行するためには250時間以上かかるでしょう。

さて皆さんの何人かは たった今トーク10個を6語にするのはクレイジーだとお思いでしょう。しかし実は違うのです 統計学のロスリング教授による実例があります。彼のトークをいくつかご存じでしょう。TEDに8個も載っています。この8個のトークは概ね4つの単語にまとめられます。なぜなら基本的に彼が示すのは「直感が当てにならないこと」です。

ポール・ローマーの斬新なアイデア:特区都市(TED Talk)

テーマ:経済
キーワード:途上国、グローバル、ルール
おススメ度:★★★(テーマに興味があるなら見るべき。) URL:http://www.ted.com/talks/lang/ja/paul_romer.html

経済成長理論で著名な"ポール・ローマー"

スピーカーのポール・ローマーについて調べていたら、こんな記事を発見した。「ポール・ローマーのこと」。奨学金が切れてあと少しのところで博士課程を断念しそうになっていた日本人学生に、研究費の一部を学費として支給したという感動的な話だ。

ポール・マイケル・ローマー(Paul Michael Romer, 1955年 - )はスタンフォード大学の経済学者。専攻は経済成長理論。コロラド州デンバー出身。新しい経済成長理論とも呼ばれる内生的成長理論の確立と発展に大きな貢献をなした経済学者の一人と目されている(Wikipediaより)

新しいルールを備えた都市を人工的に

ローマーは、悪いルールの罠に陥っている国が貧困から脱却するには、うまくいっている都市のルールを持込み人工的に都市を構築することだと説く。中国における香港、朝鮮半島における韓国など、ルールの違いだけで経済成長に大きな差が出る事例をもとに、特区都市(チャーター都市)なるものを掲げる。それは複数の国が共同して都市規模の行政区を管轄するというもの。

それぞれの特区都市は無人地域から始まる。都市は独自のルールを持ち、そのルールがよいものであれば新しい都市が形成される。実際に社会における悪いルールが改善されることは非常に稀であり、既存の都市における規範が改善するのを待つよりも新しい規範を備えた都市を人工的に作る方が効果的。

要点抜粋

悪いルールによって せっかくのwin-winの解決策が邪魔されてしまうことがある。この国のルールでは電力会社は電力料金をとても低い助成価格にしなければならない。料金が低すぎるので電気を売るほど電力会社は赤字になり、そのため電力会社には多くの利用者に供給するための資金もないし利用者を増やすインセンティブがない。

北朝鮮と韓国とは全く同じルールから出発した。知識水準や 社会規範、文化、価値観、信仰も同じ。ルールの下で私たちは相互に関係しそれは 良い方向にも悪い方向にも作用しうる。

香港では20世紀のほとんどの期間にわたって中国本土とは異なるルールの下で運営されてきた。行政は英国が管轄していた。香港ではとても急速な経済成長がもたらされた。小平のような指導者たちが本土全体を市場経済モデルに移行すると決意した時に香港をモデルとした。

小平が本能的に理解していたのは国民に選択肢を与えることの重要性だ。中国の全ての国民に市場経済モデルへの即時移行を強制するのではなくいくつかの特別行政区域を作ることから始めた。ある意味でこれは英国がやったことと同様に市場経済ルール下での労働の機会をそれを望む人々に提供するだった。

中国の事例はいくつか重要なポイントを示している。第一に 人々の選択肢を維持するということ。第二に適度な大きさで運営するということです。村では小さすぎる。その一方 国では大きすぎる。都市であればこうした機会が得られる。

私が提案したいのは「特区都市」と呼ばれるコンセプト。まずは特区の基本法をどうするかから始める。都市形成に必要な人々を引きつけるのに必要な全てのルールを規定するような基本法。

資金調達は どうしたら良いか?シンガポールや香港で判明したのはこれらの都市が当初所有していた土地が巨額の利益をもたらしたこと。この土地の値上がり益を利用することで 警察や裁判所などの費用に充てることができる。

地球上にこれほど多くの人が住んでいるのに 私達がこれほど豊かに生活できるのは 「アイデアの力」があるから。アイデアは他人に教えたり他人から教えてもらったりすることができる、この点は 希少物の場合とは異なる。希少物は共有するほど取り分が少なくなるが、アイデアは共有するほど皆の取り分が多くなる。

もしルールの領域で革新を継続できれば… 特にルールを変えるためのルールを考え出すという意味で革新ができれば私達は悪いルールの罠に陥ることなく進歩を続けることができこの世界を真により良い場所へと変えることができる。

良くも悪くもルールは大きな影響を及ぼす。上手くいっていな地域では、上手くいっている地域のルールを適切な範囲で導入してみる。そこでの効果を他地域にも広げていく。これは汎用性がありそう。

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シェリル・サンドバーグ:何故女性のリーダーは少ないのか(TED Talk)

テーマ:社会
キーワード:女性、男女差、社会進出
おススメ度:★★★★(TEDに興味があるなら見るべき。定番。)
URL:http://www.ted.com/talks/lang/ja/sheryl_sandberg_why_we_have_too_few_women_leaders.html

女性の社会的地位向上へ3つのアドバイス

FacebookのNo2にしてCOOのシェリル・サンドバーグ(Sheryl Kara Sandberg, 1969年8月26日 - )が、TEDで語りかけたのは女性のエンパワーメントだった。

彼女は要職に占める女性比率の低さ目を向ける。女性は男性と違って自分を低く評価しがち、遠慮がちであることを身近な事例とデータを用いて説明している。重要なメッセージは3つで、1つは会社で給料や待遇をきちんと交渉すること。2つ目にパートナーと対等になること。そして3つ目は結婚や育児を睨んで早い段階で積極性を失わずに最後まで留まること。女性はもっとできるんだよ、という熱い思いが伝わってくる。

超エリートキャリアウーマン"シェリル・サンドバーグ"

シェリル・サンドバーグはFacebookの創業者CEOであるマーク・ザッカーバーグと同じくユダヤ系のアメリカ人で、生まれは1969年のワシントンDC。学生時代の成績は常にクラスTOPだったとのこと。その後、1987年に入学したハーバード大学で経済を専攻。在学中に財務長官となるラリー・サマーズと出合う。サマーズは彼女の才能にいちはやく気が付き彼女のメンターとなり、世界銀行への就職斡旋をも行う。世界銀行ではインド、AIDS関連のプロジェクトに関わる。1993年にはハーバードビジネススクールに入学。卒業後は、5年ほどマッキンゼーに努める。その後、ビルクリントン政権下のサマーズの秘書を務めた後、Googleに渡る。2001年に入社したGoogleでは、グローバルオンラインセールス&オペレーション担当副社長として、AdWordsやAdSenseのセールスチャンネル開拓に当り、Googleのマネタイズ成功に大きく貢献した。

卓越したコミュニケーション能力、マネジメント力はサマーズにも高い評価を得ており、現在、アメリカの次期財務長官そして将来の大統領とも噂されているとのこと。彼女にとってFacebookのIPOはキャリアの一区切りであり、これを機に次の活躍の場を求めても何の不思議もない。創業者CEOと並んで彼女の去就がIPO申請書類のリスクファクターともなっている。彼女の去就にも注目が集まる。

要点抜粋

190人いる首脳のうち女性は9人。世界中にある議会のうち女性が占めるのは13%。

米国における最近の研究によると、既婚の上級管理職のうち2/3の既婚男性に子どもがいたのに対して、子持ちの既婚女性は1/3に過ぎなかった。

女性は自身の能力をより低く見積もってしまうのです。女性と男性に対してGPAの様な、完全に客観視する事のできる質問をすると、男性の回答は実際より高く、女性の回答は実際より低くなるのです。

女性は職場で自分の為の交渉を行わない。過去2年間で大学を卒業し働き始めた人たちに関する研究によると、57%の男性が初任給の交渉を行うのに対して、女性は7%しかしない。そして最も重要なことに、 男性は出世は自身が勝ち得たものだと思うのに対し、 女性は外的要因に理由を求めるのです。

問題はそんなに単純なことではありません。データによると、出世と好感度というのは 男性の場合正の相関があり、女性の場合負の相関があるのです。

同程度の収入と同程度の責任分担を持つ家庭では離婚率が半分であることが調査により分かっています。

息子には職場や家庭で 十分に貢献できる自由を持ってほしいですし、娘には勝るだけでは無く、自身の業績により人から好かれる自由を持てるように。

男性は自分の評価を実際より高く見積もるのに対して女性はその逆、ってのは納得(笑)。身の回りでも、コミュニケーション能力に優れ雰囲気を良くし、仕事も丁寧で正確なのは女性に多い気がする。女性は優秀だ。仕事面でももっと女性に目を向けたいと思う。

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    masato

    • Author:masato
    • 「無知による機会損失は計り知れない。」

      機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できない損失のことを言う。

      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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