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世界共和国へ

世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて
柄谷 行人


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国家・ネーション・資本のルーツを解き明かし、やがて破滅へと向かう資本主義社会の未来をマルクスに習って示唆してから、カントの理念を継承した新しい社会のあり方を説いた一冊。新しい社会のあり方とは、互酬を重んじ、真の意味で平等と自由を実現できる世界をさす。

著者の考えの根底には、カントの説いた普遍的な道徳法則があります。したがって、どうしてもその性質がゆえに人間と環境を破壊してしまう資本主義を批判することになります。

著者の言うとおり、資本主義の2つの性質(差異化を永遠に止めることが出来ないという性質、商品(特に労働力商品)が資本に劣後する性質)は、人間と自然環境の破壊へ直結するという考えはもっともだと思います。例えば自然環境の破壊について、マルクスの言葉を用いて以下のように言っています。

産業資本は労働者を搾取するだけでなく、いわば自然を搾取することによって「土壌と人間」という以前を破壊してしまう。このことから学ぶべき教訓は、資本主義体制は合理的農業とは逆方向に進むものであり、合理的農業は資本主義体制とは両立不可能(例え技術発展を促したとしても)である。

上の"合理的"ってのが気になる。アダム・スミスにしろマルクスにしろ、どの時点(未来)を基準に解を求めるかによって最適な解が異なるんだと思う。人間が本当の意味で合理的なら、自らを破滅に向かわせるようなことはしないはずだと思うんだけど…(本書には人間が短期的思考に陥ってしまう理由を資本主義の性質を踏まえて書かれているんだけど納得いかない)

つまり、自分のスタンスとしては資本主義の構造的欠陥の話には賛成だけど、かといってそれでマルクスに賛同しているわけではないという感じです。

と、つらつらと本筋と関係ないところについて書いてしまったので話を戻す。

本書はカントの言う理想の社会「世界共和国」が努力次第で実現出来るのではないかと言っている。マルクスが"下から"のみの世界同時革命を試みて失敗したことを踏まえて、今回は、"下から"の運動に加えて、グローバルな非国家組織(国際連合)を強化・再編成して諸国家を"上から"封じこめることによって実現出来ると。

個人的には、本書を読んで「世界共和国」の魅力が十分に分からなかった。確かに資本主義は問題だらけだけど、著者のいう社会がこれに変わるような優れたシステムであるとは感じられなかった。(自分の認識が甘いだけなのかもしれない…)

そういえば、自分はかつて、世界の経済的格差の問題を解決するには、世界的に富の再分配機能を司る『世界政府』が必要なんじゃないか?って論じたことがある(参照)。それに、つい最近読んだアインシュタインの本には「文明と人類を救済する唯一の方法は、法律に基づき国家の安全を保障する『世界政府』の形成である」というアインシュタインの言葉が載ってた。

厳密には違うんだろうけど、著者が言う強化した非国際組織も、俺が言った世界政府も、アインシュタインが言った世界政府もどこかで通じるものがあるような気がする…

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