バブルの歴史
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なぜ、人は愚直なまでに歴史を繰り返すのか?このことが気になったので読んでみました。本書は、17世紀オランダのチューリップバブルから20世紀末の日本のバブルまで、9つのバブルとその崩壊の歴史を解説したもの。
とても面白い本でした。著者は「バブルは繰り返す。バブルの当事者達は、今回だけは違う、自分だけは間違っていないと言いながら、(歴史が変わっても)全く同じ行動を繰り返している」と主張しています。
バブルに関わる人全てが(それが著名な経済学者であっても)、まるで操り人形に操られているかのように、歴史が変わっても同じ主張をしたり行動をしている様はとても興味深かったです。資本主義の性質と、人の富への欲求と、群集心理という歴史的に不変な3つのものがかけあわさってしまうと、バブルは避けがたい現象なのかもしれません。
株式市場は資本の効率的な配分を果たす、大まかに言えば正しそうなその理論も、バブルという魔物が絡むと机上の空論になってしまうようです。鉄道が必要もない場所につくられ、上場する必要のない企業が当事者利益のためだけに上場したり・・・、例をあげればきりがなさそう。バブルの崩壊とは、人のそういった間違った行動を正すための体罰のようなものなのでしょう。
もちろん、人はその体罰で受けた痛みでさえ、すぐに忘れてしまうようですが・・・。ガルブレイスの「金融上での人の記憶は二十年しかもたない」という言葉を思い出してしまいました。
本書を読んだからといって、投資に役立つということは断じてないですが、投資や金融に関わる人全ての人におススメの本です♪