手紙 / 東野圭吾

手紙手紙
東野 圭吾


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映画化で話題になっている東野圭吾の『手紙』を読む。

両親を早いうちに失くしてしまった兄弟の話。

家計のやりくりに苦しむ兄・剛志は、弟・直貴をなんとしても大学へ通わせたいがために不本意ながら強盗殺人を犯してしまう。まだ中学生と幼い弟を残して兄・剛志は刑務所に送られてしまうのだった。

初めのうち直貴は自分のために犯罪を犯してしまった兄に同情する。しかし、社会のいたるところで「強盗殺人犯の弟」というレッテルを貼られ差別に苦しむうちに、次第に兄をうとましく思うようになっていく。

自分の努力や才能とは関係のないところで、バンドデビューの夢や恋人との結婚を諦めなければならない直貴。直貴にとって社会はいつも冷酷だった。

苦労を重ねてやっと就職した先の社長が次のように言う。

「差別はね、当然なんだよ。犯罪者やそれに近い人間を排除するのは、しごくまっとうな行為なんだ。」

本書を読み通すと、一見、物凄く重みのある上の言葉がこの本を象徴しているように思える。(物語の流れや社長の役回りなんかを考えたら当然のようにそう思える。)

けど、僕は本書で最も重要な意味を持っているものはジョンレノンの名曲『イマジン』の中にある気がする。この歌は、物語の中で直貴が一貫して好きだった曲として取り上げられている。

物語のラストで直樹が歌おうとした次の歌詞を、直貴の心境になって読むととても感慨深いものがある・・・。

IMAGINE” by John Lennon

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace...

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world...

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you 'll join us
And the world will be as one


イマジン (訳)

想像してごらん
天国なんてないんだと・・・
その気になれば簡単なことさ
ぼくらの足下に地獄はなく
頭上にはただ青空があるだけ
想像してごらん、すべての人々が
今日のために生きていると・・・

想像してごらん
国境なんてないんだと・・・
そんなに難しいことじゃない
殺したり死んだりする理由もなく
宗教さえもない
想像してごらん、すべての人々が
平和な暮らしを送っていると・・・

想像してごらん
所有するものなんか何もないと・・・
  果たしてきみにできるかな
欲張りや飢えの必要もなく
人はみな兄弟なのさ
想像してごらん、すべての人々が
世界を分かちあっていると・・・

僕を空想家だと思うかもしれない
だけど 僕ひとりじゃないはずさ
いつの日か きみも僕らに加われば
この世界はひとつに結ばれるんだ

この重い話を映画化ってどんなんになるんだろ?(特にラストがめちゃくちゃ気になる・・・。万人にウケるような映画にはならなそうなんだけどどうなんだろ)

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    • 「無知による機会損失は計り知れない。」

      機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できない損失のことを言う。

      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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