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masato
Author:masato
「無知による機会損失は計り知れない。」

機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できないという損失のことを言う。

一生という限られた時間の中で、どうせなら最高の人生を送ってみたいじゃん。みんなもそう思うでしょ??

価値観は人それぞれだと思うけど、俺は、自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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 カラマーゾフの兄弟1
カラマーゾフの兄弟1カラマーゾフの兄弟1
ドストエフスキー 亀山 郁夫


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世界最高の小説と評され、東大教師がすすめる100冊の本の中で堂々の第1位にもなっている本書を読んでいます。とりあえず光文社古典新訳で第1巻を読了。

「イワン、答えてくれ。神さまはいるのかいないのか?ちゃんと答えろよ、まじめに答えろよ!」

神は存在するのかしないのか。もし存在するとするならば、神はわれわれに何をもたらしたのか―。この壮大な問いが、この小説の一つのテーマになっている。(もちろん本書の魅力はこれだけではない。)

ゆくゆく考えてみると、たしかに「イエス・キリスト」は偉大な人物なのだけれど、「キリスト教」がわれわれにもたらした影響というものは全て"善"または"良"なものではなかったと思う。キリストは偉大な思想と理想をぼくらに教えてくれた。そして、多くの人を救ってきた。しかし、その一方で閉鎖された思想は外の世界との軋轢や摩擦を生み、それが多くの人を不幸にしてきたという事実もある。

ジョン・レノンが『イマジン』で歌ったような無宗教的な考えに共感をしているぼく個人の考えだけど、将来的には、多くの人が宗教がもたらす悪い面の呪縛から解放されるような世の中になってほしいなと思う。


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(2007/02/23(金) 13:17)

 歴史的高値

日銀の追加利上げが発表され、日経平均・TOPIXともにぶっ飛びました。ともに大きな節目を抜けてます。しかもTOPIXにいたっては15年3ヶ月ぶりの高値だそうです。登録銘柄の入れ替えを行った日経平均では分かりづらいのですが、TOPIXを見れば、今の水準が歴史的に見ても相当な高値であることが分かります。記念にTOPIXの10年チャートを載せておきます。

TOPIX 月足 10年チャート 20070222TOPIX

内需低迷、個人所得低迷、M&A、外資動向などを考慮して東証1部の優良銘柄を中心としたポートフォリオ作りを心がけようと思います。ぐっちーさんがおっしゃているようにアメリカでは「金持ちは順調に消費を続け、株式投資を続け、当然住宅投資も続けますが、一方で貧乏人はどんどん破綻する」という現象が未だに進んでいるそうです(参照)。日本もこれに追従すると考えられるので、投資戦略についても「金持ちに乗っかっていく戦略」がもっとも有効であるような気がします。だってアメリカでは「全所得層の上位5%が全米消費の90%を占める」という話ですからね。このことは常に頭に入れとこうと思います。


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(2007/02/22(木) 12:14)

 百年の愚行
百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY 百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY
池澤 夏樹 アッバス・キアロスタミ フリーマン・ダイソン


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環境破壊、乱獲、戦争、差別・迫害、大量廃棄・・・etc。これらはわれわれ人類がもたらした20世紀の負の一面である。人と自然の共存関係はどこへ行ってしまったのだろうか?一体、人は何になろうというのだろうか?本書は、20世紀における人類の「愚行」を100枚の写真とともに紹介した一冊である。

最近話題になっている「不都合な真実」よりも、本書「百年の愚行」の方がスゴイということだったので読んでみた。

さっそく読んでみた感想だが、とにかくスゴイ。それは、目を背けたくなるような真実たちがこの一冊の本に詰っていて、それらが切実に地球の危機をぼくらに訴えかけてくるからだ。読んでいる最中は、迫力のある写真に何度も眼を奪われる。それと同時に何度もショックで言葉を失う・・・。

著者が警告しているように、今まさにわれわれは地球規模の危機に瀕している。それはもう一時的な妥協では済まない段階に来ているのだと思う。

資源には限りがあるということ。それでも人口は増え続けるということ。そのために資源の奪い合いは必然的に起こるということ。環境破壊がもたらす種の消滅は取り返しがつかないということ。先進国の多くの人が肥満で悩む一方で、途上国では約8億人が慢性的な栄養失調であるということ。こういった危機の元凶は言うまでもなくわれわれ自身の文明にある。

もう一度言う。われわれは地球規模の危機に瀕している。一時的な妥協ではもう済まない。次の世紀に同じ過ちは許されない。そのためにも、この「100年の愚行」から目を背けてはならない。

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(2007/02/20(火) 02:22)

 伽藍とバザール
4895421686伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト
エリック・スティーブン レイモンド Eric Steven Raymond 山形 浩生
光芒社 1999-09

オープンソースは世界を救うのだろうか?

本書はオープンソース・ムーブメントの理論的指導者のエリック・レイモンドによって書かれた3つの論文を収めたもの。レイモンドはLinux に代表されるようなオープンな開発手法を「バザール方式」、それ以前によく利用されてきた従来の開発手法を「伽藍方式」と定義し、自身がバザール方式でソフトウェアを開発した経験を基に両方式の特徴を考察している。

オープンソースという概念がもたらした影響は、単にソフトウェア工学の範囲に留まらず、社会学や経済学まで及ぶ。ぼくがこの概念に魅力を感じたのは、オープンソースには無限の可能性があるような気がしてならないからだ。今回は、レイモンドが提唱した「伽藍方式]と「バザール方式」を説明してから、本書を読んで考えたことや気がついたことを簡単にまとめてみる。

伽藍方式

伽藍方式とは、従来のソフトウェアの開発方式のことをいう。選ばれた開発者だけのグループ内で開発が行われ、ある程度まとまった形になるまで外部に公開しない。開発の経過は基本的に部外者には見せず非公開である場合が多い。もともとソフトウェアの開発は伽藍方式でないと出来ないと思われていたので、特に伽藍方式と呼ばれることもなく、当然の事として行われていた。

バザール方式

バザール方式とは、複数の参加者により創造活動が行われる場合の手法の一つであり、参加者を限定せずに参加者の独自性を尊重し階層的な組織ではなく個人が中心となったルールや命令系統の少ない方法で進める手法。特に、インターネット上での創造活動に有効な手法で、参加者を限定しないこと、参加者の独自性を尊重すること、階層的な組織ではなく個人が中心となったルールや命令系統の少ない方法で進められるのが特徴である。Linuxの場合は、最終的な取りまとめをするリーナス・トーバルズが交通整理をする協調的なコーディネータの役目をしている。また、特徴として、開発の初段階からすべてを公開し、開発の途中経過もほとんど公開する。「早めのリリース。しょっちゅうリリース」が基本になっている。そのことで、開発の過程に多くの目が入ることが出来て、それが開発の速度を加速するし、早い段階で多くのテストを受けるので完成度が高くなる。

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない

Linuxの草案者リーヌスは「問題を理解してそれを直す人物は、必ずしもどころか普通は同一人物ではない。だれかが問題を見つける。そしてそれを理解するのはだれか別の人なんだ。多くの場合、問題を見つけることのほうがむずかしい。」と言う。ここに、伽藍建築方式とバザール式のちがいの核心部分がある。また、バザール方式の優れた点は、参加者の自由度が高いために生まれる「分散性」と「多様性」と「集合知」にある。レイモンドが言うように、「もしリーヌスの考えがまちがってるなら、Linuxカーネルほど複雑なシステムは、どこかの時点でまずい相互作用や、発見できない深いバグのせいで崩壊してたはず」であるならば、オープンソースの概念は今後、世界という複雑なシステムに潜む多くのバグ(問題)を解決するのに必要不可欠な概念になってくるように思える。そこで重要になってくるのは、参加者の「自由度」の問題だ。

伽藍的なケインズと、バザール的なハイエク

あらかじめ用意されている見取図をもとに、参加者が細かく分担しながら開発を行う伽藍方式と、参加者の自由意志に基づき、あるソースコードに好き勝手に機能を追加したりバグを修正したりするバザール方式。この2つの概念は、設計主義的な考えをもつケインズと自由と個人主義を主張するハイエクの2人の経済学者を思い起こさせる。レイモンドが気がついたのは、「ソフトウェア開発においては、伽藍方式よりもバザール方式のほうがいい成果が出る場合もあるということ」であるが、このことはその他にも多くのことを示唆している気がする。

交換から贈与へ

バザール方式の特徴は分散性・多様性・集合知にあり、その点が伽藍方式にない魅力にもなっている。しかし、バザール方式で「いい成果」を出すにはいくつかの条件があるようだ。それは参加者のインセンティブの問題でもあるし、社会全体の問題のように思える。この点については松岡正剛氏が次のようにまとめているのでそれを使わせてもらう。
レイモンドは、ここからさらに突っこんで、今日の交換経済社会が「稀少性」を前提としている交換経済ではなくなっているのではないかと考える。従来の経済は稀少価値をつくることが富をもたらした。それが普及してしまえば、また新たな稀少価値をつくりだす。そのために他社に隠してでも特殊な機械を開発し、工場生産を有利に展開したくなる。ところが物資が豊かで余っているような社会では、稀少価値をつくりだす努力よりも、みんなにとってもっと便利で有効なものを共有したくなる意識のほうがずっと強くなっている。・・・レイモンドは、このようなネット上の稀少価値型の経済性の終焉を、「交換文化」から「贈与文化」への移行だというふうにも捉えた。
(松岡正剛の千夜千冊『伽藍とバザール』エリック・レイモンドから部分抜粋)
Webの世界を見るからに、「交換」から「贈与」へのシフトはものすごいスピードで起こっている。数万円もするソフトと同程度の機能を持ったソフトが今では無料で使える時代なのだ。この観点から言えば、まさにWebは世界のフラット化に大きく貢献していると言えるだろうし、世界がフラットになればなるほどレイモンドが言う贈与文化が発展するように思える。

無料と自由は同じ

本書に掲載されている論文の著作権は、原文・翻訳共にコピーレフトのようなのでネット上ですべて読めるようになっている。このような考えは、贈与文化の先駆的な一つの例になると思う。文献にしかり、ソフトウェアにしかり、ハードウェアにしかり、これからはもっと無料かつ自由に使えるものが増えてくるはず。そうそう、英語で「無料」と「自由」は同じfreeだという話もあるぐらいだし、無料と自由は切っても切り離せない関係にあるんだな。


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(2007/02/18(日) 17:46)

 ハワイ旅行

ハワイ旅行に行ってまいりました。

いわゆるバカンスってやつです。ハワイは抜けるような青空とエメラルドグリーンで遠浅の海が印象的な街でした。それと、日本人観光客の多さにはビックリしました。だいたい何処へ行っても日本人ばっかり。

一番の思い出はスカイダイビングをしたこと。
上空1万4000フィートからダイブしちゃいました。 (マジで死ぬかと思った。フゥー。)

Waikikibeach
FX7
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(2007/02/18(日) 10:57)

 伸びない市場で稼ぐ! 
伸びない市場で稼ぐ!成熟市場の2ケタ成長戦略伸びない市場で稼ぐ!成熟市場の2ケタ成長戦略
エイドリアン・J・スライウォツキー リチャード・ワイズ 佐藤 徳之


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先進国における多くの企業が、これ以上もう拡大しない市場を舞台としながらも、さらなる成長を義務付けられている。本書は、「ディマンド・イノベーション」と「隠れた資産」という新しい2つの概念を軸にして、成熟しきった市場、つまり伸びない市場でどのように成長していけばいいか、ということについて説いた一冊。

本書の主張は端的にまとめるとこうだ。
「隠れた資産を有効に活用して、ディマンド・イノベーションを達成することが、伸びない市場で稼ぐ方法である」

以下、本書のキーワードになっている2つの概念について簡単にまとめてみる。

ディマンド・イノベーション

ディマンド・イノベーションの主眼は新たな形式の需要を見出すことで新しい価値を創造する点にある。それは多くの企業が直面している成長危機を打破する答えなのである。
今日のように成長が危ぶまれている環境であっても、先見の明のある一握りの企業は成熟した市場でも成長することができた。重要な点は、彼らが製品そのものの改善ではなく、製品を取り巻く難題や課題といった顧客の経済性に着目することで、新しい成長と価値の創造を手にしたことである。つまり、従来型の製品イノベーションからディマンド・イノベーションへとアプローチを転換したのである。彼らは製品サプライヤーという立場から、顧客の経済的パートナーへと移行したのだ。このようなディマンド・イノベーションに長けた企業はすでに頭打ちの成熟産業分野でも新たな価値と成長を創り出している。

隠れた資産

隠れた資産とはとどのつまり、財務諸表などに掲載されいない資産のことを言う。(が、従来の無形資産と同意ではない。)隠れた資産は、活用すればするほど増殖するといった特質を持つ。それは顧客関係をより強力なものへ、情報をより豊かに、ネットワークはさらに広げるように作用する。さらに、隠れた資産はライバルの参入を妨げる強力な障壁にもなる。隠れた資産は以下の5つに分類することが出来る。
  • 従来の無形資産 ・・・ 知的財産とコンテンツ、特別なノウハウ
  • 顧客関係資産 ・・・ 顧客への権威付け、顧客相互関係
  • 戦略的不動産資産 ・・・ 市場での地位、ポータルやアクセスポイント
  • 事業ネットワーク資産 ・・・ 第三者との関係、取引機会の早期発見
  • 情報資産 ・・・ システムとソフトウェア、派生情報

むすび

ディマンド・イノベーションの「顧客を観察する視点を製品から経済性へと移行する」という発想は素晴らしいと思う。従来のイノベーション、すなわち革新的な製品やサービスを創出するということは大変難しいので、顧客の需要に着目して既存の製品やサービスの周りから攻めて行くというのはいい考え。
一方、隠れた資産の概念は、経験曲線または学習曲線といった概念と似ている。経験曲線とは、企業が産業における経験を重ねるにつれて、つまり企業の累積生産量が増大すればするほど、限界コストは低減してその産業における参入障壁は高くなるというもの。隠れた資産を活用するということは、いかに経験曲線のカーブを高められるかといった話になると思う。その辺はまた他の論文なりがありそうなので省略。


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(2007/02/11(日) 17:15)

 雪国
4101001014雪国
川端 康成
新潮社 1986-07

ゆっくりと一文一文をかみ締めながら読みたい。欲を言えば声に出しながら読んでみたい。そんな気持ちにさせてくれるのがこの『雪国』という小説である。(村上春樹の文体も好きだが、声に出して読んでみたいとまでは思わない。)日本を代表する小説ということなので読んでみました。

多くの人が「美しい」と評するように、とても美しい小説だったように思う。では、いったい何が美しいのだろうか?一言でまとめてしまえば、川端康成特有の情景描写と言えるのだろうけど、僕がもっとも美しいと感じられたのは小説全体で描かれている「哀しさ」にある。中でも不遇な人生を精一杯に生きる駒子の発する言葉には特別な美しさがあったように思えた。

「哀しさ」や「憐れみ」に内在する美しさ。この小説が世界中で評価され、日本的と言われる所以がそこら辺にあるような気がした。

(余談)
どうやら、今年は「雪が降らない」ことに関して記録的な年らしい。東京では観測史上初めて初雪が記録されない年になるかもしれないという。(参照) まぁ、多くのビジネスマンにとってみれば良いことなのだろうけどさ・・・。


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(2007/02/10(土) 14:25)

 ハーバード・ビジネスレビュー2月号「戦略論の原点」
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 02月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年02月号


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Harvard Business Review創刊30周年を記念して戦略論の特集が組まれていたので買ってみた。創刊記念というだけあって、歴史に名を刻んだ名教授たちのそうそうたる論文が掲載されている。論文は以下のような内容。(これで2000円なら大変お買い得だと思う。)

  • ハーバード・ビジネススクール 教授 マイケル・E・ポーター『競争の戦略』
  • ハーバード・ビジネススクール 教授 マイケル・E・ポーター『競争優位の戦略』
  • マギル大学 教授 ヘンリー・ミンツバーグ『戦略クラフティング』
  • アライアント・インターナショナル大学 特別教授 H・イゴール・アンゾフ『企業戦略論』
  • ハーバード・ビジネススクール 名誉教授 アルフレッド・D・チャンドラー『スケール・アンド・スコープ』
  • ミシガン大学教授 C・Kプラハラッド / ロンドン・ビジネススクール教授 ゲイリー・ハメル『コア・コンピタンス経営』
  • ビジネス・ブレークスルー大学院大学 学長 大前研一『競争は戦略の目的ではない』

読んでみて、ちょっと変な感覚になった。というのも、論文はどれも素晴らしいもので古今東西の経営者に多大な影響をあたえ続けている論文なのだろうけも、それらを読めば読むほど「競争戦略なんて必要ないんじゃないのか?」と思うようになったからだ。今回はその辺について今の自分の考えを書いてみる。

歴代の戦略論の巨匠たちには申し訳ないけど、僕は「戦略論(特に競争戦略)を語るようになったら、その企業は負け」だと思っている。ミンツバーグが言うように、戦略というものは安定性と連続性を求める。常に変化する市場を相手に戦うのであれば戦略自体も自然に変化または革新されることが望ましい。その観点から見れば、「戦略をどのように変化させるか」といった戦略が重要になってくるように思うが、そもそも「戦略なんて必要ない」と考える方がまともな発想のように思える。

大切なことは、企業活動は他社との競争に勝つことが第一目的であってはならないということ。企業活動の本来の目的を考えれば分かるように、企業が「戦略」に大きな時間とコストを費やすことは愚かなことなのだ。つまり、企業が戦略論に頼るようになったらその企業は負けなのだ。

今回の戦略論特集の中でも一人異彩を放っている大前研一は次のように言う。
戦略プランニングにおいて競合他社の存在を考慮するのは当たり前だが、必ずしも最優先事項ではない。・・・すなわち、戦略は顧客第一主義に基づいて立案されなければならない。そして、ライバルを相手にその成否を試すのだ。・・・ライバルに対抗する戦略を全面的に否定するわけではないが、それだけでは受身になる。・・・最優先すべきは、顧客価値を創出する戦略なのだ。

そう、大切なことは顧客価値を創出することなのだ。言い換えれば、顧客の視点から見て良い商品・サービスをいかに提供するかということになる。例えば、任天堂やAppleやGoogleが素晴らしいのは「競争に強い」からではなく、「大きな顧客価値を創出している」からだろう。それらの企業が現状でライバルに勝っている要因は、戦略にあるのではなく、商品・サービスにあるのだ。この流れに沿って言えば、重要になってくるのは「いかに顧客価値を創出するか」ということになる。

いかに顧客価値を創出するのか―。これはとても難しい問題である。その難しさは、大学教授が過去を分析してそこから答え導き出す作業の比じゃない。例えば、プラハラッドとハメルの論文『コア・コンピタンス経営』には「戦略におけるコア・コンピタンスがいかに大事であるか」ということが過去の事例を紐解きながら説かれているが、では一体、「将来におけるコア・コンピタンスは何になるのか」といったことには触れられていない。このようなことから、過去を分析するのと違って、将来を予想することはとても難しいことだということが分かる。(そのことは『イノベーションのジレンマ』を読めば理解できる。)過去を分析したところで得られるものは過去の解釈学でしかない。大切なのは未来なんだ。そんなことを思いながら本書を読み終えました。


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(2007/02/07(水) 11:45)

 反劇的人間
反劇的人間反劇的人間 (1979年)
安部 公房
中央公論社 1979-03

毒の正体

そういえば以前、安部公房の『砂の女』を読んだときに僕はこんなことを思ったんだ。

「安部公房に限らず作家という職業は、実社会とは少し離れた場所から俯瞰的に社会を見ることが出来る職業だ。言い換えれば、作家は当事者としてではなく第三者として社会と関わっているということになる。そのせいなのか、そういった作家が書く作品の多くは、社会に当事者として関わっている僕らに毒のように作用することが多い気がする。 」

なぜ毒を感じるのか?その時、「毒の正体」に関しての謎は全く分からなかったけれど、本書を読んでその謎が解けた。ヒントは安部公房の次の台詞にある。

たしかに植民地で育ったこと、とくに日本主義というんでしょうか、そういうものがいちばん強いときに植民地で育ったので、日本を外から相対化して見る習慣がいっそうできました。・・・とくにかく概念をそのまま信じない。いちおう経験的な裏付がないと信じられないということです。おかげで疑い深くなった。・・・疑い深くなって、たとえばある社会に所属しているということ、日本なら日本という国家に所属しているということがどういう意味か、それを疑う習慣がとてもつきました。(p90)

僕等が毒を感じるとき、それは、文学から得る新しい概念と、既に自分の中にある概念の間に相違を感じたときなのだ。当然、そんなとき僕等は、今まで見ていたものや信じていたものが壊れていく感覚に陥る。その感覚が「毒の正体」なのだ。つまり、「毒を感じるとき」とは暗黙に「今までの価値観であったり、社会そのものに対して疑い深くなったとき」でもある。今振り返れば、ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだときのあのどうしようもない感情は、今までの人生に対する(そして、これからの人生に対する)「疑い」から生じたものだったのだと思う。


心を打つ文学、ヒットラーの演技力

その他、印象に残ったくだりを2つ抜き出してみる。

フランツ・カフカの登場人物というのは非常に悲劇的ですけれども、ぜんぜん個性的ではないですね。あれにもし個性があったら、かえって非常につまならくなるのじゃないですか。・・・登場人物が非常に個性的で、類型でないものを持っている場合と、逆にきわめて類型的である場合と、そのあいだの緊張関係が非常に大事で、あまり個性的であっても人の心を打たないし、かといってあまり類型的であっても駄目です。一見類型的に見えるもののなかに、実は非常に深い個性的なものがあったり、一見非常に個性的に見えるものが、実は非常に類型的なものにすぎないという発見をしたり、その逆転劇みたいなものが、近代以降の芸術の特徴じゃないかと思うのです。(p112)

ぼくはドイツ側が撮ったナチスの、とくに軍隊のフィルムを見るのが好きです。なぜ好きかって、人間のあれほど絶望的な姿は、そうめったには見られない。・・・勝っているときのドイツ軍の、殻をかぶったような固さは人間のいちばん絶望的なものだと思います。あれは何度見ても見飽きない。人間の醜さのようんだ。・・・ヒットラーの演説の格好なんか、ほんとに絶望的だなあ。その絶望感を味わうためにまた見てしまう。・・・ヒットラーの演技力が抜群だからです。・・・何度見ても彼の熱狂的な眼と、演説するときの催眠術でもかけるようなタイミングの取り方なんかを見ていると、人間というものの弱さと暗さを解剖して見せられるような気がしてくる。(p116)

とにかく安部公房という人物が、文学というもの、人間というもの、さらには世界というものをどう捉えているのかが詳しく書かれた本であったように思う。小説家志望の方は是非読んでみてください。

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(2007/02/06(火) 02:29)

 羊男のクリスマス
羊男のクリスマス羊男のクリスマス
村上 春樹 佐々木 マキ


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無類のドーナツ好きでエアコンも買えないくらい貧乏な羊男の話。

羊男は、ある男にクリスマス用の楽曲を作ってほしいと頼まれる。期日まで時間があったのにも関わらず、羊男はなかなか作曲に取り組めずにいた。そんなある日、羊男は羊博士なる人物と出会う。その羊博士によると、羊男が作曲に取り組めないのは「12月24日の聖羊祭日に穴の開いたドーナツを食べたために呪われてしまったことが原因である」と言う。さらに、羊博士はこのように言う。

「ほれ見ろ、君が不注意だからこんな羽目におちいることになるんだ。・・・いいかね、12月24日はクリスマス・イブであると同時に、聖羊祭日でもあるんだ。つまりこの日は聖羊上人が夜中に道を歩いておられて、穴に落ちて亡くなられたという神聖な日なんじゃ。だからその日に穴のあいた食物を食べちゃいかんというのは昔むかしからきちーんときまっておることなんじゃよ。マコロニとか、ちくわとか、ドーナツとか、イカ・リングとか、たまねぎの輪ぎりとか、そういうものをな」

羊博士に「呪われている」と勧告された羊男は、どうにかして呪いを解こうと冒険(偽)に出る。その冒険(偽)の途中に双子の208と209に会ったりする。・・・こんな感じで物語はたんたんと進行していく。特別に面白いといった内容の本ではないが、絵本感覚ですぐ読めてしまう。癒し系の本といったところだろうか。たまにはこういう本もいいね、と思う。


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(2007/02/05(月) 21:59)

 ベイジアンネットワーク技術
ベイジアンネットワーク技術 ユーザ・顧客のモデル化と不確実性推論ベイジアンネットワーク技術 ユーザ・顧客のモデル化と不確実性推論
本村 陽一 岩崎 弘利


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アンビエント・ファインダビリティ』にもしつこく書かれていたように、ネットワーク技術の進歩とモバイル端末の普及が、実社会での情報システムの利用形態に大きな変化を起こしている。ユーザがシステムに触れる機会と時間は日々増え続けているのだ。そのため、これからのユビキタス情報社会において、ユーザとインタラクションするシステムはどれだけユーザに優しいか、ユーザに適応しているかということが重要になってくる。そこでは、従来のシステム設計の概念とは異なった概念が必要となる。

なぜなら、従来の情報処理の枠組みが破綻しているからである。従来の定型的な情報処理は「プログラムがシステムの動作手順を事前に想定して完全に記述する」というものであった。したがって、多様なユーザや予想外の状況に対応するためには、そのすべての可能性をif-then方式でシステム設計時に想定しなければならないため、開発時の負担が非情に大きくなるという問題が本質的に存在した。しかし、多様性が増大していくと、システムの動作をプランとして記述するアプローチでは、おのずと限界を迎えてしまう。利用時に発生する様々な種類の不確実性には、決定的な枠組みではうまく対処できないのである。

ここで登場しったのがベイジアンネットワークである。ベイジアンネットワークは、統計的学習によりグラフ構造を持つモデルを構築し、そのモデルにより確率推論を行う技術である。複数の事柄についての確率的な因果関係をモデル化することができ、因果関係の強さを条件付き確率で表すという特徴を持つ。また、データを逐次更新しシステムを自己修正していくため、使用していくうちに進化・学習し、これまでの枠組みでは対処できなかった多様性や不確実性にも対処できるようになっている。技術の基盤には、ベイズ理論の概念(推測しなければならない未来の出来事はその事象の過去の発生頻度から計算で求めることができる)が使われている。

本書の前半をまとめると以上のような内容になる。後半は、システム設計やアルゴリズムや確率の難しい話が出てきたので、軽く目を通したくらいで精読はしてない。が、本書の要点は前半にあったと思うので、その点を再度、簡単にリストにしてまとめてみる。

  • 情報化社会において、ユーザを中心としたシステム設計の重要性が増している。
  • 多様性が高まる中、動作手順を事前に想定するという従来のシステム設計の手法は限界に近い。
  • そういった多様性やら不確実性に対応出来る新しいシステム設計の概念が必要。
  • そこで誕生したのがベイズ理論を活用したベイジアンネットワークである。
  • この技術はシステムの稼動を通じて自己学習をし、多様性と不確実性に対応することが可能である。

本書では、ベイジアンネットワークが使われている例として、HP社やMicrosoft社の顧客サポートのシステム、KDDI社の映画推薦システム(参照:次世代コンテンツ推薦システムの共同開発.pdf)などを取り上げて解説している。

ベイジアンネットワークは、データマイニングやらCRMといったようなマーケティングの分野でも注目されているようですが、本領を発揮するのはシステム開発といったもっと根元にある部分にあるように思える。今後、この技術が進歩することによって「人に優しい社会システムの発展が期待できる」と著者は締めくくっていました。


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(2007/02/04(日) 13:20)

 現在のポートフォリオ

卒論が終わり、バタバタしてます。
読書も出来ずにいるし、更新が滞りそう。

そうそう昨日、麻雀をしていたら「マネ役満」なるものを振ってしまいました。
今まで聞いたこともない役満です。まさに人生の恥。

それと、久しぶりに現在のMyポートフォリオについて簡単に書いておきます。
ちょっと前まで主力だったイマジニア(4644)と村田製作所(6981)は売ってしまい、現在の主力は紀文フードケミファ(4065)と和田興産(8931)となっています。細かいところだとインテリジェントウェイブ(4847)を持っています。損切りしたのは、シンプレクス・テクノロジー(4340)とMCJ(6670)。虎視眈々と買いのタイミングを狙っているのは、富士フイルムHD(4901)と藤田観光(9722)と一度売却した村田製作所(6981)あたり。それと、アプレシオ(2460)なんかも博打的観点で着目してます。

やっぱり今年序盤は、円安のせいか外需に依存している銘柄の方が強かったようです。一方で、内需関連の銘柄、特に小売などは例え業績が良くても割安に放置されている感じがします。そういった相場を眺めていると、「日本は死んだ。しかし、グローバルに活躍している日本企業を死なせるには惜しい」と、世界が僕たちに語りかけているような気さえしてきます。ハンズマン(7636)なんかも上方修正してあの株価というのも少し情けない。というか投資家の関心が無さ過ぎるせいか、それらのセクターは出来高も少ない気がします。けど、こういったときにそれらの銘柄の下調べをしておくことが大事だと思うので、これから少しづつ不人気セクターの調査をしていこうと思います。個人的に注目しているのはリラクゼーションおよび岩盤浴・溶岩浴関連の銘柄。

最後に、大まかな展望について。2月も基調は強いのかもしれませんが、裁定残が積み上がっていること、信用買残も増えていること、日興コーディアルの上場廃止、といったことを気にしている個人投資家のみなさんが多いようなので出来高が細るようですと調整が入るかもしれないと思っています。特に信用買残が多い銘柄なんかは注意が必要。ワイエイシイ(6298)なんて理不尽に下がりすぎです。誰かが狙って、個人が抱える信用買残を崩そうとしたとしか思えない。・・・なので1月のように押し目買いを拾っていくという戦略ではなく、慎重に売りポジションを増やしてくといった感じでいこうと考えています。


Night_in_NY
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(2007/02/03(土) 09:35)

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