金融業の進化 10の戦略思考
![]() | 金融業の進化 10の戦略思考―戦略プロフェッショナルへの自己変革 田坂 広志 ダイヤモンド社 1998-05 |
アメリカの金融業は「リスクを取り、戦略を持って、有利な投資先を育てる」ことを行っているのに対して、日本の金融業は「リスクも取らず、戦略も持たず、有利な融資先を探す」という状況にある。この差は大きい。
たとえば、アメリカのシリコンバレーは、数多くのベンチャー・ビジネスが誕生し、活躍することによって、史上空前の活況を呈している。もとより、この活況の背景には優れたベンチャー・キャピタルの活動があることはよく知られているが、彼らは、決して「有利な投資先を探す」という安易な発想で活動をしているわけではない。彼らは「有利な投資先を育てる」という積極的な活動をしているのである。
リスクとリターンの関係を熟知し、積極的にリスクを取れる国というのは、やっぱり強い。