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日本のべンチヤー企業の経済分析書。経済学を切り口にし、ベンチャービジネス・ベンチャー企業のあり方を説いた一冊
印象に残った文はこの文章である。
ベンチャー企業そしてベンチャーキャピタリストは、新たなビジネス機会を個人の能力で探索し、個人で社会を動かしていくものである。(p227)
最近、VC界隈で「良いベンチャー企業が国内にない」といった話をよく聞くようになった。国内のベンチャー投資を縮小しているVCも出てきている。確かに、中国・インドなんかのベンチャー企業と比べると成長性や規模の面で見劣りする面が多く、そのようなVCが出てくるのも納得だ。しかし、本書にも書いているとおり、有望なベンチャー企業がないというのは、キャピタリストに良い投資先を選択できる能力がないというのを告白していることに過ぎない。ビジネスプランが玉石混合は当然である。そこから選択するのが、専門家たるベンチャーキャピタリストの本質的な役割なのである。
また、最近この次のような意見を聞くことも多くなった。
JPモルガン・アセット・マネジメントで中小型株式運用チームを率いる太田忠シニア・ポートフォリオ・マネージャーは日本の新興株式市場を統一すべきだと提言する。成長が期待できない企業が多く流動性も乏しい札証アンビシャス、名証セントレックス、福岡Q─Boardは廃止し、ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスを統一。新規公開(IPO)と退出の統一された基準を作り、年間20社程度の優良な企業だけにIPOを絞らなければ失われた信頼は取り戻せないと警告する。(by ロイター)
こういった意見は、ただこの一時の状況を打開しようとしている端的な発言でしかない。ちょうどNASDAQがそうしたように、取引費用の低い新興市場でベンチャー企業の優劣を決めることが多くの情報を効率的に吟味することにつながる。IPO前に企業を絞るというのは、誰も将来を予測できないという真理を無視したナンセンスな主張である。
また、新興市場はただベンチャー企業がIPOし資金調達をする役割だけを担っているわけではない。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家といったリスクマネーを供給する経済主体に投資資金の回収の場を提供することを通じて間接的に重要な役割を果たしているのである。ベンチャー企業への資金供給が早期に回収されることによって、ベンチャー企業全体への資金供給が増加するメカニズムが生まれてくるのである。
まさに世はベンチャー企業冷遇の時代・・・。どげんとせんといかん!
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