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報酬主義をこえて

4588099450報酬主義をこえて 〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)
アルフィ・コーン 田中 英史
法政大学出版局 2011-10-07

やる気に関する驚きの科学(TED Talks)を見てから、報酬やモチベーション、動機づけというものに関心が出てきた。丁度、マネジメントにおける社員のモチベーション管理について課題を感じてたことや、学生の頃から自分が誰に言われるまでもなく自主的に勉強を行なっていた根源的な理由について知りたいと思っていたことが背景にある。そんな中に出会ったのが本書である。

世間に広く浸透している報酬主義(子どもに良い行いをさせるためにアメを与える、従業員に高い成果を出させるために成果報酬を出すなど)、そしてその根底にあるスキナーの行動主義についての反証を数々の実験結果をもとに記している。

報酬は確かに短期的に人の行動をコントロールすることができる。しかし、報酬が本質的に引き出すのは報酬そのものに対する欲求(外的動機付け)であり、行動そのものに対して意味を見出す(内的動機付け)ことではない。むしろ、報酬は内的動機付けに悪影響を及ぼすというのが著者の主張である。

著者は報酬が効果的でない、逆効果である理由を下記の通りあげている。

  • 与えられない場合、罰として作用する。報酬を出される側は制御されている感覚になる。
  • 人間関係を破壊する。他人の足を引っ張ることが自分の利益に繋がるから、協力や仲間意識を壊す。
  • 本質的な原因や理由を無視することになる。子どもが言うことを聞かないことに対して、報酬で制御出来れば、子どもの本音や行動の背景を知らなくてもよくなる。
  • 冒険しなくなる。報酬を得るのに必要なだけの仕事をやり、それ以上はやらない。
  • 内発的動機づけを壊す。報酬が目的となってしまうことで、行為そのものの関心を下げる。

報酬や外発的動機づけを極力排除しなさいと著者は主張するけれども、経営や子育ての現場からするとさすがにそれは難しい。ただ一番気を付けなければならない問題は、報酬を与える必要がない行動に間違って報酬を与えて自発性を殺してしまうことである。

その他、気になった文章を抜粋。

・アメリカの職場は駐車場付きのスキナー箱だと言ってよい。
・報酬をもらって成績があがるのは、普通、極度に単純な、頭脳の必要のない種類の仕事であって、そういう仕事においても量的な向上があるだけである。
・報酬というのはその本質からして究極の短期療法である。
・やりたいことをするのに褒美を与えると、遊びが仕事に変わってしまう。
・活動そもののに内発的な関心を持つことは大変優れた学習方法である。
・子供たちが善悪を自分で判断して行動できるようにさせたいなら大人の力を小さくし、賞罰の行使をできるだけ避けるようにしなければならない。
・自分のことを奴隷と思っている人たちは高給をもらってもいい仕事をするわけではないし、自分が自由な人間で共同体の中で不可欠な役割を果たしていると思っている人たちは給料が低くてもいい仕事をしないとは限らない。

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    • 「無知による機会損失は計り知れない。」

      機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できない損失のことを言う。

      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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