ナイスクラップvsポイントvsユナイテッドアローズによる同業者比較

昨日のナイスクラップの企業分析により、だいたいどんな企業であるかは分かりました。

今日は、ポイントとユナイテッドアローズとの同業者比較です。

時価総額
1位 ポイント    1491億円
2位 Uアローズ    1159億円
3位 ナイスクラップ 95億円

売上高      2006  2005 2004
1位 Uアローズ   51,800 46,330 42,903  
2位 ポイント     44,200 37,795 27,860
3位 ナイスクラップ 8,400 8,031 7,066

店舗数        2005 2004 増減 
1位 ポイント    246  205  41  
2位 ナイスクラップ 100 73 27
3位 Uアローズ    67? 不明 不明

PER        今期   来期
1位 ポイント    36.48  33.9
2位 Uアローズ   33.35  30.5
3位 ナイスクラップ 29.03  15.1


時価総額はポイントとUアローズがナイスクラップの10倍以上あります。この点が、一番、ナイスクラップに対して強気な理由です。PERも見て分かるようにポイントとUアローズはだいぶ先まで成長を見込んだ数字になっていると思います。ナイスクラップの来期予想のPER15.1倍は相当割安です。


PBR
1位 ポイント    11.02
2位 Uアローズ   6.16
3位 ナイスクラップ 1.44


PBRをこういった成長企業で比べるのもどうかと思いますが、PBRに関してもナイスクラップは割安と判断できるでしょう。というか、他の2社が高すぎ?


株主資本比率
1位 ナイスクラップ 80.4%
2位 Uアローズ   68.0%
3位 ポイント    58.3%


流動比率(流動資産/流動負債)
1位 ナイスクラップ 418%
2位 Uアローズ   223%
3位 ポイント    172%


株主資本比率と流動比率から見てみるとナイスクラップが安全面では一歩リードしてる模様。しかし、3社と問題はない水準。この2つの指標と株価の関係も薄いだろし…


ROE
1位 ポイント    30.2%
2位 Uアローズ   18.5%
3位 ナイスクラップ 5.0%


ROA
1位 ポイント     17.6%
2位 Uアローズ   12.6%
3位 ナイスクラップ 4.0%


ROEとROAに関して、ポイントとUアローズが優秀。ポイントに関しては超優秀企業といってもいいでしょう。ナイスクラップはかなり差をつけられています。これがPERの差の主要因だと思われます。

しかし、ナイスクラップの『目標とする経営指標』に「ROE、ROAを重要指標として、経営にあたってまいります。」とあるので改善の余地はあると思う。その点は下にも書いてあります。

この2つの指標は資本と営業利益の関係なので、例えば、ROEに関しては株主資本が少なければROEは高くなります。ポイントはナイスクラップに比べて株主資本は2倍程度に過ぎないのに営業利益が約12倍もあるのでROEも6倍くらい違くなってきます。それを考慮しても、収益面ではナイスクラップが断トツで分が悪いみたいです。

収益面で大きな差が出た原因は営業利益率にあります。

営業利益率     2006  2005  2004
1位 ポイント     18.8%  19.9% 15.4%
2位 Uアローズ   13.3% 13.1% 12.2%
3位 ナイスクラップ 7.1% 4.5% 0.1% 
         ※2006年度は四季報予想を使っての予想です。

         
上位2社が高収益な体質であることが分かると思います。(小売業で営業利益率20%近くをたたき出すポイントはすさまじい。)
しかし、着目すべき点はナイスクラップが年々、営業利益率を大きく向上させている点です。もともと、ナイスクラップの展開するブランドはクロムハーツを展開しているUアローズや、ポイントのように高級品を展開していません。低価格の商品が多いため、利幅が小さいくなるんだと思います。

次は収益面の中身を知る指標を比べてみます。

原価率 2005 2004
1位 ナイスクラップ 48.8% 50.1%
2位 Uアローズ   46.8% 47.0%
3位 ポイント    39.6% 42.4%

販売管理費比率  2005 2004
1位 ナイスクラップ 46.7% 49.8%
2位 ポイント    40.5% 42.2%
3位 Uアローズ   40.1% 40.7%


ポイントの原価率は優秀です。商品に付加価値が付いているということなのでしょうか。でも、ローリーズファムって確か安かったよな?う~ん、その辺は良く分かりません。原価率についてはもっと詳しく調べてみる必要がありますね。

販売管理比率はUアローズが優秀ですが、これは先ほども言ったようにUアローズは商品が高いし、クロムハーツという高級なアクセサリーも売っているためです。

着目すべき点は、原価率と販売管理比率ともにナイスクラップはきちんと減らしてきています。今後も、この指標を注目してみようと思います。

結論
以上の点から要点を整理すると

1.ナイスクラップの時価総額はポイントの1/15、Uアローズの1/12
2.株主資本比率・流動比率など安全面ではナイスクラップが一歩リード3.ROE・営業利益率などの収益面では他2社に大きく劣る
4.しかしながら、営業利益率は着実に向上中


ナイスクラップの時価総額95億円に対して、ポイントは1491億円。さすがに時価総額1/15は割安だと思います。会社予想EPS58.15を使うと来期PERは15倍…。これも安すぎです。

店舗は着実に増えているので、今後、原価率と販管比率が改善れて営業利益率が上がっていけば面白いと思います。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

随分と…

しっかり分析やってんなー。
パッと見、収益高いポイントとUアローズが好みだけど、この2つはちと高すぎみたいね…。
PER考慮して成長具合見てみるとナイスクラップが一番いいみたいだし、発行株数に対して資産や収益も考えるとここがダントツで割安みたい。
それにしても、流動比率400%はスゴイな…。

始めまして。私は人様の分析を評価できるほどの力もありませんし、アパレル業界の勉強もあまりしていませんので、満足のいくコメントはできませんが、せっかくご指名いただいたので私なりの感想を率直にコメントさせていただきます。定性評価は全くわかりませんので財務諸表から読み取れることに限らせていただきます。失礼な内容かもしれませんのでお許しください。

のっぷさんも指摘されていますが、ナイスクラップは2001年~2003年に大幅赤字となっております。損失は5年間(今は7年だったかな?)繰り越せますので少なくとも2008年までは法人税を免除されます。この影響を考慮すると、今期予想経常利益695×50%/株数で実質EPSは32円程度、実質的なPERは25倍程度となり、あまり割安とは言えないかもしれません。過去赤字になっている会社の会計処理は少し注意が必要だと思います。ただ時価総額は確かに小さいです。私の7/21の日記で衣料品チェーン34社の比較をしていますが、営業利益率5%はかなり低い方です。SPA業態のようなので一般的には物足りないと評価されていると思います。

ただ一番のポイントは利益が急激に改善されつつあることではないでしょうか。今月の上方修正では経常利益率8%と急上昇です。既存店がかなり好調のようですね。経営の効率化を進めていることもあるんですね。また売上も02年を底に2桁増を続けています。でも私個人としては月次開示が無いので他社に比べたらリスクは少し高いです。この業界では月次開示が一般的だと思います。まあこれは投資スタンスの問題ですが。

比較対象がポイントではナイスクラップがかわいそうです(笑)。ポイントはアパレルのみならず、小売業界全社の中でも抜き出た超優良成長企業です。私の7/21の日記を参考に他の会社とも同じように比較されてはいかがでしょうか?→http://plaza.rakuten.co.jp/yuya913/diary/200507210000/

大変失礼なコメントになってしまいましたが、masatoさんのされている比較分析自体は非常に有意義だと思いますので今後も参考にさせて下さい^^

>乃司

今後のナイスクラップの収益構造の改善具合で時価総額も10倍くらいになってもいいと思うんだよね。

ポイントとナイスクラップについて、何処がどう違うのかきちんと調べてみます!

毎コムの方がパフォは良さげかも(w

>ヤスノイさん

>過去赤字会社の会計処理は少し注意
>SPA業態
大変、勉強になりました。ありがとうございます。

時価総額が小さい、展開ブランドがポイントよりいいかなぁと思って調べてみたんですが、いろいろ問題点がありますね。

ポイントとナイスクラップの何が違ってここまで収益に差が出るんですかね。展開ブランドではいい勝負だと思うんですが・・・。その二社の「差」について具体的にきちんと調べてみようかと思います。
ありがとうございました。

>その二社の「差」について具体的にきちんと調べてみようかと思います。

とても楽しみにしています ^-^

masatoさん ばんわ~。

To: ヤスイノさん
>損失は5年間(今は7年だったかな?)繰り越せますので
おお、私も勉強させてもらいました。今まではいいかげんにトータル利益がマイナスの企業が税金払ってないな~って思ってました。
ちょっと会計の本のこの部分読んでみます。

>ナイスクラップの時価総額はポイントの1/15、Uアローズの1/12
まず売上自体がポイント450億、Uアローズ500億、ナイス85億なので、それを考慮して時価総額を考えるとすると、ポイントとの差は3倍程度、Uアローズとの差は2倍程度でしょうか。

ポイントは超優良企業でPER33倍の人気株です
ので、それを考えると3倍の差はおかしくない
かな?

PERも税金免除の影響を考えないでだすと
25倍程度ですから、適正くらいですかね?

ただ、ナイスクラップは現金同等物をたくさんもってて、それを考慮にいれてPERを計算すると13~15倍程度。業績好調+ブランドに
自信がもてるなら前みたいに株価が半分以下に
なっちゃうなんてことはないとは思います。

でも、ナイスクラップの定性的な良さを気づけたなら半年前に投資しておきたかったですね~。そのころはタツさんも言っているように現金同等物=時価総額だったので下値の心配なく買えたんじゃないかと思います。

>その二社の「差」について具体的にきちんと調べてみようかと思います。
実はポイントってどんなお店出してるのかしりません。「差」の分析、期待してます。

>のっぷさん

>PER25倍程度ですから、適正くらいですかね?
確かにそう考えてみるとそうですね~。調べていくうちに問題点が多々出てきました…(泣)

>ポイントは超優良企業で
そのポイントの超優良企業たる所以と、ナイスクラップがそういった企業になりえるのかを分析してみます!

なんかスゴイことになってきましたね~。自分の分析なんて子供の遊びだった~と実感(^-^;(財務諸表と有報を斜め読みするだけ+事業内容の将来性)
同業者比較って難しいですね。まして小売業はたくさんありそうだし・・・。一日二日で出来るような作業じゃないですよね。恐れ入ります。
面倒くさがりな私は、極力ライバル(同業者)が居ないところを狙ってしまいます(笑)
税金関係は苦手なので、私も参考にさせていただきました。いやはや勉強になりますm(__)m
そういえば株の損失も何年か繰越出来るんだしなぁ、と思ってみたりしました。
masatoさんは良いお友達をたくさんお持ちですね♪一生懸命だから皆が惹かれてやって来るのかな。引き続き、分析頑張ってください☆

時価総額

のっぷさんへ

こんにちは。始めまして。売上高の比較ではポイントは3倍Uアロは2倍、ですが、経常利益の絶対額が圧倒的に違います。ナイス7億円の予想に対してUアロは69億円、ポイントは80億円で10倍以上の開きがあり、さらに成長性を考慮すると今の時価総額は妥当な線、という見方もできると思います。

のっぷさんの仰るように、半年以上前に経営の変化をいかに見抜けたかですね。気付いた頃には株価はあっというに2倍です ^^;
カテゴリー
未分類 (196)
  • 読書 (438)
  • 投資 (27)
  • 写真 (132)
  • TED (7)
  • プロフィール

    masato

    • Author:masato
    • 「無知による機会損失は計り知れない。」

      機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できない損失のことを言う。

      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
    最近の記事
    月別アーカイブ
    ブログ内検索
    RSSフィード