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数学的思考法

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント  講談社現代新書数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書
芳沢 光雄


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数学者である著者が、学力低下が指摘される日本の教育の現状を分析し、数学の重要さを説いた一冊。

著者が唱える数学的思考法とは、すなわち「あれこれ試行錯誤しながら考え抜く」ことです。数学の問題に取り組み、あれこれ悩みながら考え抜くという行為がいかに私達の思考力を養う上で重要であるかを認識しました。

著者は、その「考え抜く力」の重要性を述べると同時に、子供に計算能力を反射的に丸暗記させようとする風潮や、ただひたすら処理能力ばかりが求められる社会を危惧しています。ゆとり教育によって子供に解答を文章で書かせることが減ったことや、マークシート方式などによって採点方法の合理化が進み、子供達が答えを導く上で「考える」ことが減ったしまった現状を学力低下の問題と結びつけて説明しています。

しかも、「考える」ことの欠如がもたらすのは、表面的な学力低下を引き起こすだけではなくて、数学を学ぶ面白さを知るきっかけさえ奪っていくということです。

以前、友人のブログで、ビートたけしが「頭のいい人とは数学的な思考が出来るやつ」と言っていたという話を読みました。映画監督である彼が、数学的な考え方の例として因数分解の重要性を以下のように説明しています。

AX+BX+CXという式があったとする。
これを因数分解するとX(A+B+C)と変形できる。

この数式を映画の話に置き換えて考えてみる。

Xを殺人者役とする。
A、B、Cは殺人者に殺される被害者役。

普通のやつが映画をつくると
・XがAを銃で殺すシーン
・XがBをナイフで刺すシーン
・XがCをナイフで斬るシーン
以上の3つのシーンを撮ることになる。

もし、「頭のイイ」やつがやると
・Xが凶器をもって歩いているシーン
・そして、A,B,C,が倒れているシーン
以上の2つのシーンで済む。

わざわざ実際に殺しているシーンを撮らなくても済むわけだ。

ビートたけしは、要するに「数学の知識を、そのまま実生活で使うことはそうそうない。でも、生きていく上で、数学から学んだ数学的思考法は様々な局面で活かさせるんだよ。」ってことが言いたかったんだと思います。

ビートたけしのように、こんな風にして数学の面白さを伝えてくれる先生がもっといてもいいんじゃないかと本書を読みながら思いました。ビートたけしと違って、ほとんどの学校の先生というのは社会に出て揉まれるという経験をしていない。ほとんどの学校の先生は、学校での勉強が社会に出てどのように役に立つのかを知らない。ちょっと偉そうになってしまうけど、つまるところ、社会に出て働くこともしてない、勉強が何に役立つかも知らない元優等生タイプの先生に、学ぶことの本当の意義や面白さを子供に伝えられるはずがないと思う・・・。

本書の中では、著者が「あれこれ試行錯誤しながら考え抜くことがいかに大事か」と説くくだりがとても印象に残りました。また、その話の延長線上で著者は、通常は「偶然が生む」と言われている「ひらめき」について以下のように述べています。

結局のところ、他人には偶然性を強調して格好良く話している「ひらめき」でも、実際のところはさんざん考え抜いた蓄積のほんの少し上に、ふっと気がつく一瞬のことを言うようである。

この話は以前読んだ「アイデアのつくり方」でも同じようなことを言っていたのが大変興味深かったです。

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また、おれ狙いですか??w

>shuntaへ

シュンタはいい先生になってねw
この本の中に
「子供達の勉強を見ている親御さんと教師の方々へ。なにかが出来たときに褒めるのも大事ですが、なにかを考え抜いていることに対しても、是非褒めてやってください」
というくだりがあったんだ。
その点をヨロシクw

芸術なんだな

数学っていえば、そういうことなんだけど、映画は芸術なんだな。

つまり、何のメタファーも持たないシーンというのは、基本的に説明的なシーンなんだ。

その意味では、画面の表面を越えた意味を演出者がくわえることができなければシーンは陳腐化しているってことなんだけどな。

つまり、三人の死体と連なるのは、凶器を持っている犯人ではなく、日常の犯人の方が含意がある。そういう感じっす。

(^o^)
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