金融アンバンドリング戦略

金融アンバンドリング戦略金融アンバンドリング戦略
大垣 尚司


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攻めの経営に転じたわが国の金融ビジネスは今後どういった方向に進むのだろうか。この本は、欧米で最先端の金融を学んできた著者が、将来の金融ビジネスはこうあるべきだ、ということを示した一冊。

とても難しい本であるが、現在の金融の問題点やそれをどう改善していけばいいのかといったことが詳細に書かれているので面白い。著者の主張は「今までのように銀行・証券・保険というように境で区切られている縦割り型のビジネスモデルにはもう限界が来ていて、これからの金融は、金融業がもつ機能のアンバンドリング(分解)を考えなくてはならない」ということである。具体的には金融を4層に分解できると言っています。

 (1) 金融流通業
    顧客に直接金融商品を販売する金融小売業者。
    金融製造業が開発した商品を顧客に販売する。     

 (2) 金融製造業
    金融商品を製造して流通業者に供給する。     

 (3) 金融情報業
    流通業者が金融商品を顧客に販売した後の、
    顧客と商品の管理を請け負う。     

 (4) 資金調達とリスク管理
    商品を製造するための原材料(資金)を調達し、管理する。

金融流通業の観点から見てみると、私達国民としては、預金だろうが保険だろうが住宅ローンだろうが証券だろうが一つの窓口でワンストップに購入出来るのが理想であって、今までのように証券は証券会社で買う、保険は保険会社で買う、といったことがどんだけ手間のかかることだったのかが後から分かると思う。

また、本書では「金融をアンバンドリング(分解)していくと、ある機能(上の4つのうちどれか)に特化したビジネスモデルが生み出される」と言っていて、そのビジネスモデルについても詳しく説明されている。それを読んでいると、証券化に特化したフィンテックグローバルや、売掛金の流動化に特化したフィデックや、顧客管理のバックオフィス業務に特化しただいこう証券ビジネスなんかの出現を著者は早い時期に予想してことが分かる。

本書を読み終わって確信したことは「金融界はまだまだ激動の時代にある」ということです。近い将来、多くの金融機関はビジネスモデルの変革を迫られる時期が来るのではないでしょうか。変革期ということはそこには新たなビジネスチャンスが生まれることになります。そこから金融界にイノベーターが出てきてもおかしくない。

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大垣、金融アンバンドリング戦略

サイト名変更後の第1弾記事は… 地味ーに、書評です。というか、久しぶりですね、書

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      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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