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川の深さは

川の深さは川の深さは
福井 晴敏


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あまりの面白さに、バイト中でしたが夢中になって一気に読んでしまいました。
話の大筋はこんな感じです。

オウム真理教および地下鉄サリン事件を彷彿とさせる事件を発端に話は始まります。ビルの警備員をして生活を営んでいた桃山はひょんなことから事件に巻き込まれてしまう。事件の中心人物である増村保と関わりあっていくうちに情熱的であったかつての自分を取り戻していく。一方、事件は次第に思わぬ展開を見せていく。己の利権を守ろうとする各省庁、そして核査察を要望するアメリカとそれを拒否したい北朝鮮、事件を外交カードに使いたい日本政府。事件の裏で、さまざまな思惑が交錯していた…。

用意周到に張り巡らされたシナリオ、壮大なスケール、人間味あふれる登場人物といった魅力にとどまらず、話の奥底には、腐敗しきった国家権力の現状と、それに伴う日本の安全保障問題が描き出されていて、単なるフィクションで終わらせるにはもったいない作品です。

また著者の日本社会に対する洞察も鋭く、それが物語を骨太にしています。それについて印象に残った文を一つ抜粋してみます。

社会の変革からも取り残された結果、無意味で形骸と化した制度。そんなものはいくらでもこの国に残っている。役人はとかく変化を嫌う生き物で、制度を変えるには莫大な時間と、利権のみが動かし得る人脈が必要とされる。政権が替わり、経済体制の根本が疑われる時代になっても、その体質だけは変わりようがなかったこの国。

そして、見所はなんといっても桃山と保を中心とする登場人物による熱いヒューマンドラマです。素直に感動させられました。淡々と毎日をやり過ごし、ホントに生きているのかも疑わしい日常から、かつてのように強い意志と使命感に満ちた時間を取り戻す桃山の姿に感情移入した方も多いんじゃないでしょうか。

目をつぶって自分の前に流れる川を想像したときに、その川の深さでその人の情熱度が分かるという。もちろん桃山も保も「肩まで」と答え、情熱過多・暴走注意の烙印を押されます。

「どんなに汚されていても、流れ続ける川には未来がある。」

上の言葉がやけに心に残りました。いくつになっても忘れてはいけないもの、それを気がつかせてくれた作品です。

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      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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