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最後に咲く花

最後に咲く花最後に咲く花
片山 恭一


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セカチューで有名な片山恭一の著書。セカチューとは一味違って、世界情勢・戦争・テロ・グローバリゼーション・生命倫理といった難しい話が幾度となく登場してきます。

主人公の永江は六本木の投資会社に勤めるファンドマネージャー。世俗的にはいわば勝ち組と称されている身分にいながら、リストラを推し進めることによって収益改善をする企業や生命倫理に反する事業を行うバイオ企業に投資をして利益を得ている自分、ないしはそういった世の中全体に矛盾を感じていた。そんな永江はリアリティが感じられない程の巨額の資金を運用するかたわら、心臓と肺に重度の病気を持つ女性と付き合う。

印象的だったのが片山恭一の悲観的な世界に対する見方でした。以下、特徴的だったところを抜粋してみます。

アナンがノーベル平和賞をもらうという茶番に、国際社会は恥じ入る気配もない。 地球上どこを見まわしても、善や正義は見当たらなかった。力だけが通用する仕組み、力のある者たちだけがのさばってしまう秩序が、世界の果てまで広がっていた。(P94)

(人工胚および胚の選択などは)誰も手を汚すことなく、人が人を排除するシステムの洗練された究極の形態かもしれない。(P216)

ひどい世界じゃないか。他人の生活を踏みにじることなしには、生きていくことさえできないような仕組みが、世界の隅々にまで浸透している。地球上のあらゆる他者を、自分の生存の手段とすることは、洗練されたカニバリズム(共食い)なのかもしれない。(P222)

基本的に著者はブッシュアメリカやグローバリズム、金融工学、遺伝子工学などに批判的なスタンスを一貫して取っています。(マルクスなんかも登場してくることだし。)

それはそれで別にかまわないんだけど、それらを無理やりBSEやらテロと結びつけたり、しまいには主人公の内面の変化なんかにつなげるのはどうなのかなって思ってしまいました。

本書を読んで思ったことはテクノロジーの進歩によって、全ての境界線がぼんやりしてきてるということ。金融工学やITの進歩における"国境"にしてもそうだし、遺伝子工学や医療技術における"生と死の境"についてもそうだと思う。

でも、そういった中でも本質的にコントロール出来るけどしちゃいけないものってのは当然存在するわけで、その分別の大切さを著者は様々な角度から訴えたかったんだと思う。っていうかそんな気がしました。

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      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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