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砂の女

砂の女砂の女
安部 公房


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不条理な世界を描く安部公房の名作。

砂漠で暮らすある部落集団にはめられてしまう不運な主人公。その主人公はそこで半ば強制的に砂掻きに従事させられることになる。そこでは砂は永久的に降り注いでくる。ようは砂掻きに終りはないのだ。はじめのうちは逃げ出すことを必死に考えていた主人公であったが、そのうちに脱出する気力さえ失っていく・・・という奇妙な物語。

救いようがない部落の現状。そこで砂掻きに勤しむ住人。半拉致的に砂掻きの人員を確保しようとする部落の組織体制―。僕が感じたのは、安部公房の悲観的な社会に対する見識だ。

安部公房に限らず作家という職業は、実社会とは少し離れた場所から俯瞰的に社会を見ることが出来る職業だ。つまり、作家は当事者としてではなく第三者として社会と関わっている。そのせいか、そういった作家が書く作品の多くは、社会に当事者として関わっている僕らに毒のように作用することが多い気がする。

今まで読書を通じて色んなことを学んできたけど、今振り返ればその中には知らない方が良かったことも多々ある・・・。

すべては想像力の問題なのだ」と村上春樹は言う。良い意味でも悪い意味でも、確かにその通りだな。今まで自分は「想像力」の良い面ばっかりに気を取られていたんだなぁと思った。厄介なのは想像というのは本人の意思とは別のところで身勝手に膨らんでいってしまうところだ。

昔のように純粋に世の中を見ることが出来なくなってしまったのは、読書の毒の部分のせいだと今頃気がつく。(だけど最近は毒がない本は退屈に感じてしまうからまた変な話だ。)そんなこんなで、カフカの言葉が身にしみる今日この頃です。

「必要な本とは、ぼくらをこのうえなく苦しめ痛めつける不幸のように、自分よりも愛していた人の死のように、すべての人から引き離されて森の中に追放されたときのように、自殺のように、ぼくらに作用する本のことだ。本とは、ぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなければならない。」

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