富の未来(下)

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A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一


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前回の上巻に引き続き、今度は下巻。

下巻で考えさせられたのは「先進国の教育制度」ついてだ。イギリスにしろアメリカにしろ日本にしろ多くの先進国の教育制度はうまくいっていない。(もちろんイギリスやらアメリカにおいては日本よりもだいぶ前からそれは認識されていて、ずいぶん議論もされてきているようだけど。)

トフラーによれば教育制度がうまくいっていない理由は、簡単にまとめると「今の教育制度はそれがつくられ時代に最適化されており、今の時代には即していないからだ」ということらしい。

詳しく言うと「現在まで続いている教育制度は、工業時代の大量生産経済を築くために画一的な教育で若い世代をマス化することが決定的な意味をもっていた。工業時代には無敵の連合の力で工場形の学校制度が維持されてきた。大衆教育制度が、大量生産、マス・メディア、大衆文化、大衆スポーツ、大衆娯楽、大衆政治という工業時代の性格にぴったりあっていたのである」という。

つまり、教育制度というものは、トフラーが主張した第三の波(非マス化、多様化、分散化、適正規模、分権化、生産者=消費者の復活、への流れ)に取り残されたものであり、いわば第二の波の残骸であるというのだ。(参照)

この辺の話は感覚的にも近いものがあってなるほどなぁと納得。トフラーと同じく僕も、昔と違って価値観なんかが多様化した今日において、画一的な学校制度は合わないと思う。ここからは個人的な考えなんだけど、TVやら議会やらで議論(揉めてるだけ?)されているように、人それぞれ様々な考えの教育方法があるなら、教育機関にそれらを柔軟に取り込めるようにすればいい。

もっと言えば、小学校・中学校・高校のカリキュラムや校風に多様性を持たせればいい。そして、生徒や親はその中から好きな学校を選べるようにする。そうなれば結果的に民意が学校の教育をつくることになる。

民意がそのまま学校に反映されるような仕組みを作れば、それがホントの民主主義なんだろうし、「みんなの意見が案外正しい」とすれば、知識者数人が話し合って決めた結論よりも結果的には正しいものが導き出せるんじゃないかな。

(余談)
くしくも先日、TIME誌が選ぶ‘Person Of The Year’に’You(あなた)’が選ばれた。Wikipedia、YouTube、Flickr、Myspace、といったCGM(=Consumer Generated Media)の爆発的な普及があったことが理由だという。(参照)

トフラーは「生産消費者」というものが非金銭経済に重要な役割を担うと主張する。CGMとこの生産消費者を絡めて考えるととても面白い。TIME誌が選出した’You’はもちろんこの「生産消費者」の一部分でもあるからだ。そういった意味でこのことを大分前から予見していたトフラーはホントに凄い・・・。

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