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アンビエント・ファインダビリティ

アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅 アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
ピーター モービル (2006/04)
オライリージャパン
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「アトムの大地とビットの海に狭まれた海岸で、今われわれは、物質世界とデジタル世界での二重国籍を操っていかねばならないという課題に直面している。」(p1)
「情報リテラシはもはや図書館学上の問題ではない。今世紀の運命を決する重大事なのである。」(p225)

膨大な情報の中から必要な情報を私たちはどのように見つけ出すのか?あふれる情報とどのように付き合っていくべきなのか?そもそも情報とは一体何なのか?人の意思決定はどのようにして行われるのか?本書はそんな漠然とした疑問に挑む画期的な著書だ。高名なオライリーの動物本というだけあって、中身はとても濃く大変面白かった。

本書のキーワードは、「ファインダビリティ」「情報」「知識」「意思決定」「検索」「ミーム」「ムーアズの法則」「最小労力の原理」「ユーザビリティ」「メタデータ」「フォークソノミー」といったところ。上に書いたように内容がとても濃いのでブログの1エントリーに全体をまとめられるような類の本ではない。が、個人的に気になったところをメモとして取り上げておく。

見つけられないものは使うことが出来ない。(p9)

情報を発信する側にとっても、それを受信する側にとっても、その情報のファンダビリティー、つまり「見つけやすさ」がとても重要になっている。見つけられない情報はないものと同じであるから、通常、ファンダビリティーはユーザビリティに先行するのだ。
ファインダビリティーには2つの側面がある。それは見つける「対象物についての面」と、見つける方法つまり「システムについての面」である。前者の場合は対象物そのものについての個性を分析することで調べることが出来る。後者の場合は、ユーザの経路探索や情報探索の能力をどの程度うまくサポートしているかで評価することが出来る。

情報過多とムーアズの法則。(p216)

逆U字の相関関係情報は時に、少ないほうが望ましいことが研究により立証されている。右の図のように情報量と意思決定の精度の間には逆U字型の相関関係がある。 また今日において、技術の急速な進歩が、「早ければ早いほど良い。多ければ多いほど良い」という考えをもたらしている。しかし、ムーアズによると「ユーザにとって情報を持たないことより持つことのほうが苦痛で面倒であるときには必ず、情報検索システムが利用されにくくなる傾向が見られる」という。つまり、時にユーザにとっては新たな情報が必要とされないこともあるし、より少ない方が望ましいこともあると彼は述べているのだ。実際に、最近の研究では、情報過多はマリファナよりも集中の妨げになることが示されている。

最小労力の原理。(p70,p216)

各個人は、自身の最も少ない平均仕事量を費やせばよい一連の動作を採用する傾向にある。この「最小労力の原理」と呼ばれる原理は、ユーザが自分の仕事を面倒にするような情報については、たとえそれが自分の働く組織にとって役立つとしても深追いはしない、というムーアズの法則ともつじつまが合う。
デスクトップにGoogleがあるというのに、図書館に行く理由はないというのだ。実際に、ユーザがアクセシビリティ確保のためなら情報の品質を犠牲にすることもいとわないことが多いという事実を明らかにした研究が多数見受けられる。(Googleの検索結果を数ページに渡って確認する人もかなり少ないことも分かっている!)
以上のような点から、「人間は選ばないことを選ぶ」と言える。普段の習慣を頼りにする。よく知っているブランドを信用する。同僚の真似をするのだ。しかし、教育や娯楽、あるいは保険や投資など、決めなくてはならない物事はますます勢いを増して増え続ける。ムーアズが示唆したように、そのせいで気がめいってしまう人もいる。

美しいサイトほど使いやすい。(p144)

ユーザビリティの伝道師的存在であるドン・ノーマンは著書「エモーショナル・デザイン」の中で「ユーザビリティとデザイン美学が相関する」という驚くべき結果を取り上げ、魅力的なものほど役に立つことを示す確かな証拠を挙げている。同様に、スタンフォード大学の説得技術研究所における研究ではユーザは、検索結果の上位に表示されるサイトを信頼することが分かってる。


梅田氏が言うように「ウェブ進化はまだ始まったばかりで、本当の大変化はこれから始まる」。ウェブに対して僕たちがどんな感情を持とうが、その大変化は避けることが出来ない。僕たちがウェブ、そしてそこに存在する情報とどう付き合っていくかは、生きていく上で物凄く重要な問題になってきている。本書はそういった問題を深く考えさせられた本であった。とても面白いしタメになると思うので興味ある方にはおススメ!

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