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確率的発想法 その2

確率的発想法~数学を日常に活かす確率的発想法~数学を日常に活かす
小島 寛之


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その1に続き、本書の内容で勉強になったところをまとめてみる。実際は細かい数式なんかがあって、以下の概念を証明しているのだけれど、その辺は省いてある。

社会全体でリスクヘッジは出来ない

デリバティブの発展にともなって、その売り口として「デリバティブでリスクを回避することができる」ということがよく言われている。あたかも「デリバティブは社会全体に公益をもたらす」かのような広報活動もさかんに行われている。しかし、経済学の立場から考えればそれはおかしい。デリバティブによってリスクを回避できるのは個人であって社会ではないからだ。つまり、デリバティブは社会からリスクを消してしまうわけではないということである。デリバティブというのは、リスクを売買しているにすぎないし、リスクはお金を出した側からお金をもらって引き受けた側に移動しあにすぎないのだ。社会全体でいえば、リスクはそのまま場所を変えて存在しているのである。

ナイト流不確実性理論

確率の分かっている環境と確率さえわからない環境の区別を最初に主張したのは、フランク・ナイトという経済学者である。1921年、ナイトは確率計算できる不確実性を「リスク」と呼び、計算できない「本当の不確実性」とは区別しようとした。つまり、リスクと不確実性は違うと主張したのだ。そしてナイトは、確率が与えられている環境、いうならば「測定可能なリスクはすこしも不確実ではない」と断じた。
ナイトの発想はこうだ。世界で起こる出来事は、複雑な要因に支配され、決して同一の環境から出来事が生起することはありえない。したがって、独立試行を反復的に行うことによって導かれる大数の法則を後ろ盾にした「数学的確率」は、現実の不確実性を描写してはいない。ナイトはこのような数学的確率(リスク)を「偶然ゲームの必然的確実性」と呼び、現実への有効性を一蹴した。過去のデータから未来を予測することを無意味だとするのも同じ理由からである。こういった話はビジネスの世界で重要になってくる。

エルスバーグ・パラドックス

エルスバーグ・パラドックスと呼ばれる、不確実性に対する行動として面白い現象がある。エルスバーグはこのような実験を行った。それは、「つぼⅠには、赤い玉が50個、黒い玉が50個の計100個 の玉が入っている。つぼⅡには、赤か黒の玉がとにかく合わせて100個入っているのだが、いずれがいくつ入っているか分からない。この2つのつぼを準備し、被験者に『あなたが玉の色を予言し、目隠しして玉を取り出し、その玉の色が事前に予言した玉の色と同じであったら賞金を与える』というと、賞金が得られる期待値は同じであるにも関わらず大多数の被験者がⅠのつぼを選ぶ」 というもの。この実験結果も、ナイトの考え方によれば、人間は「(リスクとは区別された)不確実性を嫌う」として理解できるようになるという。
ナイトの発想を数理的に証明していくと、既存の確率論にはない新しい考えが生まれてくる。それは「起こりうるすべての事象の確率を足し合わせても1にならない」というものである。これは確率論の根底にあった加法性を拒絶することになり、不確実性の評価方法を見直すきっかけともなった。


その3へつづく・・・。

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