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粉飾の論理

粉飾の論理粉飾の論理
高橋 篤史


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カネボウ、ライブドア、メディア・リンクスといった粉飾事件を起こした会社の実態を赤裸々に記したとてもスリリングな一冊。

カネボウの架空在庫にメディア・リンクスの循環取引、ライブドアの自社株売却益還流スキーム。これらは全て決算データをよりよく見せようという誰しもが持つ普通の感情が発端となって始まったものである。初めは小さな綻びだったものが、やがて多くの人を巻き込み大事件となって発覚する・・・。そこには、弱みにつけ込む地下組織や暴力団の存在など、僕らが想像も出来ないような深い闇が広がっていた。

とにかくスリリングな内容で、一気に引き込まれてしまった。新聞なんかでは知ることができない企業経営の闇に触れられるという意味で大変貴重な一冊だと思う。特に、昨今、上場企業を喰い物にする反社会的組織の存在が危ぶまれる中、そういった奴らがどのような手口で経営者や投資家を欺き利益をむさぼっているか、ということが詳しく具体的に書かれているのはとても良かった。

会計方針については、メディア・リンクスの粉飾決算が明るみに出たことをきっかけに日本公認会計士協会はプロジェクトチームを立ち上げ「情報サービス産業における監査上の諸問題について」と題する報告書がまとめられていて、IT業界について以下の4つの問題点を挙げている。

①収益認識の問題
ソフトウェアの販売はモノの販売などと異なり、売上や費用の計上時期を特定しにくい。
②見積もりの困難性と受注金額の確定時期の問題
プロジェクトや開発工程にかかる費用などが外部からは確認しにくい。費用計上を先送りにすることが容易。
③商社的な取引慣行の存在
スルー取引やUターン取引、クロス取引など様々な取引形態が、架空取引の温床となっている。
④契約形態の複雑性に関する問題
IT業界では開発・保守・教育といったサービスを同一の契約書で交わし、金銭の内訳を記載しないことが多い。

「粉飾決算の周辺には常人では想像できないような底なしの沼が広がっている。不正を食い物にする勢力の存在が許されてはいけない。」著者のこの言葉が心に残った。

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