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最新・経済地理学

4822246477最新・経済地理学 グローバル経済と地域の優位性
アナリー・サクセニアン 本山 康之 星野 岳穂
日経BP社 2008-02-21

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インドや中国は優秀な人材を積極的にシリコンバレーに供給し、キャリアや成功体験をつませた後で母国に還流させるという優秀な人材の還流スキームを十数年かけて築きあげてきた。こうした人材の還流を通じて、これらの国々では社会インフラの構築が国境を越えてダイナミックにおこなわれている。

題名だけでは分かりづらいが、本書はシリコンバレーの成功体験がイスラエル・台湾・中国にもたらした好影響と、そこから生じたグローバルなネットワークについて書かれた一冊である。シリコンバレーのダイナミックな経済については周知のとおりだと思うが、1990年代以降、そのダイナミックさを肌で感じた台湾人や中国人がかなりの数いて、成功体験を本国へ持ち帰った。そのことが今現在の台湾や中国の新興企業の隆盛につながっている。

1990年代の中国は、物まねインターネット・ベンチャーで知られていたが、今日では無線技術を主導しようとしている。1990年代のインドは労働集約的なソフトウェアのコード書きやメンテナンスで知られていたが、今日では世界第一級の顧客に対する複雑なコンサルティングを担おうとしている。1980年代のイスラエルは、低コストな研究開発拠点だったが、いまやインターネットおよびセキュリティ技術の先端を切り開いている。(p375)

外国人労働者を受け入れるオープンな労働市場がシリコンバレーの魅力の一つだ。そうした風土のもとで、シリコンバレーに移住する多くの外国人労働者がスタートアップ企業で経験を積むことになる。

移民熟練労働力も、企業を目指すうえで米国生まれと変わりなく、シリコンバレーのオープンな労働力市場のおかげで、実際に企業する前から、そうした新興企業で働いて環境になれることが出来る。2001年に、シリコンバレーで働く外国生まれの専門職は半分以上がスタートアップ企業で働いた経験を持ち、62%が自らフルタイムで会社を興す計画を持っていると報告されている。(p98)

上記のようなことは日本ではまず考えられない。仕事柄、ベンチャー企業の経営者の方にお会いする機会は多いが、その経営者が外国人であることは稀である。事業が成功し社会的に有名になった外国人経営者なんて皆無に等しいのではないか。

米国への留学、ないしはシリコンバレーでキャリアを構築する日本人が少ない点についても触れられている。

日仏のような国では、エリート技術者には大企業や行政のトップへのレールが敷かれている。それだけに海外に留学したり働きに行こうとする意欲が薄く、そうしたとすると、機会コストの損失が非常に大きくなってしまう。(p379)

本書の中には、いくつか日本のことを取り上げていたトピックがあった。そのどれもが日本の将来を危ぶむような内容だったと覚えている。グローバルにダイナミックにそしてオープンな経済の中で、日本人の存在感は恐ろしく小さい。

常にグローバルな視点を持つことの大切さを再認識させられた。僕も早めに海外に出ようと思う。

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