ポール・ローマーの斬新なアイデア:特区都市(TED Talk)

テーマ:経済
キーワード:途上国、グローバル、ルール
おススメ度:★★★(テーマに興味があるなら見るべき。) URL:http://www.ted.com/talks/lang/ja/paul_romer.html

経済成長理論で著名な"ポール・ローマー"

スピーカーのポール・ローマーについて調べていたら、こんな記事を発見した。「ポール・ローマーのこと」。奨学金が切れてあと少しのところで博士課程を断念しそうになっていた日本人学生に、研究費の一部を学費として支給したという感動的な話だ。

ポール・マイケル・ローマー(Paul Michael Romer, 1955年 - )はスタンフォード大学の経済学者。専攻は経済成長理論。コロラド州デンバー出身。新しい経済成長理論とも呼ばれる内生的成長理論の確立と発展に大きな貢献をなした経済学者の一人と目されている(Wikipediaより)

新しいルールを備えた都市を人工的に

ローマーは、悪いルールの罠に陥っている国が貧困から脱却するには、うまくいっている都市のルールを持込み人工的に都市を構築することだと説く。中国における香港、朝鮮半島における韓国など、ルールの違いだけで経済成長に大きな差が出る事例をもとに、特区都市(チャーター都市)なるものを掲げる。それは複数の国が共同して都市規模の行政区を管轄するというもの。

それぞれの特区都市は無人地域から始まる。都市は独自のルールを持ち、そのルールがよいものであれば新しい都市が形成される。実際に社会における悪いルールが改善されることは非常に稀であり、既存の都市における規範が改善するのを待つよりも新しい規範を備えた都市を人工的に作る方が効果的。

要点抜粋

悪いルールによって せっかくのwin-winの解決策が邪魔されてしまうことがある。この国のルールでは電力会社は電力料金をとても低い助成価格にしなければならない。料金が低すぎるので電気を売るほど電力会社は赤字になり、そのため電力会社には多くの利用者に供給するための資金もないし利用者を増やすインセンティブがない。

北朝鮮と韓国とは全く同じルールから出発した。知識水準や 社会規範、文化、価値観、信仰も同じ。ルールの下で私たちは相互に関係しそれは 良い方向にも悪い方向にも作用しうる。

香港では20世紀のほとんどの期間にわたって中国本土とは異なるルールの下で運営されてきた。行政は英国が管轄していた。香港ではとても急速な経済成長がもたらされた。小平のような指導者たちが本土全体を市場経済モデルに移行すると決意した時に香港をモデルとした。

小平が本能的に理解していたのは国民に選択肢を与えることの重要性だ。中国の全ての国民に市場経済モデルへの即時移行を強制するのではなくいくつかの特別行政区域を作ることから始めた。ある意味でこれは英国がやったことと同様に市場経済ルール下での労働の機会をそれを望む人々に提供するだった。

中国の事例はいくつか重要なポイントを示している。第一に 人々の選択肢を維持するということ。第二に適度な大きさで運営するということです。村では小さすぎる。その一方 国では大きすぎる。都市であればこうした機会が得られる。

私が提案したいのは「特区都市」と呼ばれるコンセプト。まずは特区の基本法をどうするかから始める。都市形成に必要な人々を引きつけるのに必要な全てのルールを規定するような基本法。

資金調達は どうしたら良いか?シンガポールや香港で判明したのはこれらの都市が当初所有していた土地が巨額の利益をもたらしたこと。この土地の値上がり益を利用することで 警察や裁判所などの費用に充てることができる。

地球上にこれほど多くの人が住んでいるのに 私達がこれほど豊かに生活できるのは 「アイデアの力」があるから。アイデアは他人に教えたり他人から教えてもらったりすることができる、この点は 希少物の場合とは異なる。希少物は共有するほど取り分が少なくなるが、アイデアは共有するほど皆の取り分が多くなる。

もしルールの領域で革新を継続できれば… 特にルールを変えるためのルールを考え出すという意味で革新ができれば私達は悪いルールの罠に陥ることなく進歩を続けることができこの世界を真により良い場所へと変えることができる。

良くも悪くもルールは大きな影響を及ぼす。上手くいっていな地域では、上手くいっている地域のルールを適切な範囲で導入してみる。そこでの効果を他地域にも広げていく。これは汎用性がありそう。

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