国税調査官の気持ちが分かる『決算書の9割は嘘である』

4344982444決算書の9割は嘘である (幻冬舎新書)
大村 大次郎
幻冬舎 2012-01-28

決算書の9割が嘘!?

国税庁では1年間で約15万件程度の法人の税務調査を行う。そのうち、10万件以上で申告漏れが見つかる。つまり6割以上の決算書が間違っていることになる。しかも、国税庁というのは、粉飾決算は木人する性質があり、ここでの決算書の間違いとは「過少申告」が主。粉飾決算を含めれば9割近くの決算書が間違っていることになる。

国税調査官の出世は追徴税額で決まる

国税調査官の仕事は追徴税をいかに多く取るか。職場では事実上のノルマがあり、年間に一定の件数の調査をこなし、一定の額の追徴税を稼がなければならない。国税庁の中には、追徴税をたくさん取ってきたものが偉い、という価値観がある。追徴税をたくさん取って来ないと出世できないという明確な現実がある。

国税調査官は、粉飾決算については神経を尖らせている。粉飾決算は脱税の対局にあるもので、粉飾会社を見つけると、下手をすると税金を還付する羽目になるから。

株主構成で分かる粉飾派か脱税派か

株主、会社オーナー、経営陣のインセンティブを見分ければ粉飾や脱税の傾向が掴める。金融機関保有系は粉飾(過大利益)、オーナー系企業は脱税(過小利益)のインセンティブがある。従業員が多く株式を保有している朝日新聞は脱税、東証一部上場を目先に控えて業績拡大が必須だったビックカメラは粉飾を行った。

また、海外に子会社を持っている企業は営業利益が低い。アジア諸国などでは日本に比べて法人税が安い。なので、日本本社よりも、海外子会社に営業利益を多く計上させる。日本本社で利益を出すよりも、海外子会社で利益を出させて配当を受け取る方が特になる。大和ハウス工業は、中国子会社に無償提供したソフトの制作費を本社の経費として計上。大阪国税局から4億円の申告漏れを指摘された。

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