国を賭して戦う決意から学ぶ『日露戦争、資金調達の戦い』

4106036991日露戦争、資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
板谷 敏彦
新潮社 2012-02-24

日露戦争の際、戦費調達の絶対使命を受けて欧米に向かった高橋是清と深井英五。金融版「坂の上の雲」というフレーズに魅せられて読んでみました。

印象に残ったのは伊藤博文が金子堅太郎にアメリカ大統領ルーズベルトとアメリカ世論懐柔のために渡米を依頼するシーン。伊藤博文は開戦にあたり、明治天皇から戦争中は側を離れてはならないとクギを刺されていた。そんな彼が、成功の見込みがないと渡米を拒否する金子に向かってこのように言う。

「金子君、よく聞きなさい。今度の戦争について、政府の中の誰一人として成功すると思うものはいない。陸軍でも海軍でも大蔵でも、今度の戦に日本が確実に勝つという見込みを立てている者は、ただの一人としていない。しかしながら、今の状況を打ち捨てておけば、ロシアはどんどん満州を占領し、朝鮮半島を侵略し、ついには日本を脅迫するまでに暴威をふるうだろう。事ここに至れば、国を賭しても戦うの一途にあるのみだ。成功不成功などはもとより眼中にない。もしもロシアが日本に攻め入れば、自分は一介の兵卒として鉄砲を担ぎ山陰道から北九州で命の限り闘い抜く。妻には粥を炊かせ、兵士を労らせるつもりである。」

これを聞いた金子は「閣下、そこまでの御覚悟とは、存じ上げませんでした。国を賭しての戦いであるならあば、金子は身を賭して君国のためにつくしましょう」と渡米を決意する。

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