ことばの力とあいまいさ『歴代首相の言語力を診断する』

4327376973歴代首相の言語力を診断する
東 照二
研究社 2006-07

ことばは本質的にあいまい

ことばの特徴。

・ことばは本質的にあいまいなもの。
・聞き手は話されたことばの意味を好むと好まざるとにかかわらず推理しなければならない。
・その際、推理した意味というのは、暫定的なものではなく、確定的なものとなる。
・推理は瞬間的にされる。

どれだけ気をつけて話したとしても、ことばのあいまいさ、誤解の余地というのは必ず残る。あいまいさを完全に取り除くことは不可能。聞き手は、もともとあいまいなことばから、いくつかの意味のうち、どれか一つを選んで、瞬時に意味を確定してまう。

ことばは思考を規定する

普通に話されている言葉によって、ことばの意味が増幅され、いってみれば魔法がかけられたかのようになる。ことばはわれわれの思考を規定、制限する(サピア・ウォーズ仮説)。つまるところ、ことばの力は大きい。

空疎な抽象的な概念を使って大衆をコントロールする

湾岸戦争のとき、ブッシュ政権が軍隊を派兵することについて賛否が分かれていたアメリカ国内で「われわれの軍隊を支持しよう」というスローガンを立てた。このスローガンの前には誰も反対できなかったという。このことについて言語学者のノ-ム・チョムスキーは、下記のように述べた。

「われわれの軍隊を支持しよう」と言われて、誰が反対できる?誰も答えられない。なぜなら、それは何も意味していないからだ。そうしたスローガンの決定的な価値は、それが本当に重要なこと、つまり「私たちの方針に支持しますか」という問いから人々の注意をそらすことにある。本当に重要な問いこそ、絶対に口にしてはならない。だから、人々に軍隊を支持するかどうかについて議論させておくのはかまわない。

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