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親しみやすさは無用な対立を減らす『現代中国の父 トウ小平』

現代中国の父 トウ小平(上)
現代中国の父 トウ小平(上)エズラ・F・ヴォーゲル 益尾 知佐子

日本経済新聞出版社 2013-09-03
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党の威厳は守り抜く

鄧小平は一度目の失脚で江西に送られるずっと前から、自分は中国のフルシチョフにならないと心に決めていた。問題は、庶民が毛沢東に抱いている畏怖や尊敬の念と、毛にキャリアや人生を破壊させられた人々が抱く怒りと、多くの党幹部が抱き始めていた毛の深刻な間違いへの認識を、全体としてどのようにとりまとめていくかということだった。鄧は、正しい指導力発揮しながら、毛を崇拝する人々を傷つけず、実質的に毛の経済・社会政策を変更していくか、至難の道を歩んでいた。

毛沢東の圧力に屈しなかったため2度目の失脚を受ける

鄧小平は各方面のバランスを取りながら針の糸を通すような政策運営を続け、経済面で成果を出しながらも、毛の信頼を得ていた。しかし、毛に文化大革命の肯定評価を求められた際に窮した。鄧は毛の指示で重要な会議の議長をさせられ、明確なメッセージ発信を求められた。鄧に対する毛の圧力は想像を絶するものだった。

しかし、彼は自分の信念を曲げなかった。これが理由となり毛沢東に2度目の失脚をさせられる。彼は中国の将来にとってなにが必要かを考えていた。もし鄧が文化大革命を肯定していたら、彼は秩序を回復することも、「実事求是」(事実に基づいて心理を追求する、後の改革開放のスローガン)を実践していくことも出来なかった。

親しみやすさは争いを減らす

鄧小平はひとたび基本政策を決定するとよく知られた言い回しを使ってそれを説明した。庶民的なやり方は、その政策に異議を唱えにくくしたばかりではなく、鄧自身を親しみやすい人物に見せた。

「ネズミを捕まえてくるなら、黒猫でも白猫でも構わない」という「白猫黒猫論」は、毛沢東のイデオロギーの重みを削ぐためにきわめて効果的で創意に富んだ言い方であった。それはうまくいくことをやる方が、特定のイデオロギーに従うよりも重要だということを示唆した。単に「イデオロギーが重要ではない」と言っていたら、猛烈な論争を引き起こしていた。

ほかにも「一部の人が先に豊かになっても構わない」という言葉は、改革後するにでも豊かになりたいという人々の過度の期待を抑え、かつ改革の恩恵がまだ行き届いていない人々のねたみを無害化する作用も果たした。

所見

リー・クワンユーが尊敬する人物ということだったので読んでみた。恐らく世界トップレベルで運営が難しい中国共産党の中において、毛思想を上手くハンドリングしながら、中国を改革に導いた手腕には脱帽する。学べる点は、信念の強さと親しみやすさだ。親しみやすさは無用な対立を減らす。

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