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改革の現場で学んでいるかのような臨場感『V字回復の経営』

増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか
増補改訂版 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか三枝 匡

日本経済新聞出版社 2013-06-26
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改革者は多くの社員に会い、新しい「ものの見方」を語る。そのストーリーがシンプルで正しいと思われるものであれば、改革者の言葉は強いメッセージ性を発揮しはじめる。そして改革者は熱き心の社員を「この指とまれ」で組織化することを目指す。

赤字の原因を個々の「現場」に遡及できない。社内の行動不足を引き起こしている理由の一つはこれである。

組織カルチャーの変化は、必ず組織内で起きる「事件」(大きな出来事)を触媒にして進展する。事件を避け、なるべく静かに、無難にことを進めようとする経営者や管理職では、その組織文化を変えることはできない。

社員のマインド・行動を束にするには、明確な「戦略」が示されること、社員が迷いなく走れるようにシンプルなビジネスプロセスが組まれている必要がある。社員の心に響く戦略を作り上げ、マインドを一つにする。

機能別組織は個別最適化によって規模の利益が得られやすい一方で、ビジネスの基本である「創って、作って、売る」のサイクルが分断され顧客との距離が離れ、経営感覚が失われる。日本企業で経営者が育たないのは、優秀な人材を機能別効率化の世界に放り込んだまま「創って、作って、売る」の全体経営責任を経験させないからである。松下幸之助がつくった事業部制で繁栄したパナソニックも、機能別組織が肥大化してからおかしくなった。

改革リーダーは、凝縮された時間軸の中でプロジェクトを立ち上げ、優秀な社員を極限まで追い込み、彼らの隠れていた能力を最大限に引き出そうとする。そのためには、最初の段階から組織のスピード感応性を強引にでも変えていくことが必要。不振の組織を蘇らせるには不可欠のステップ。このリセットは相当な力仕事になる。

どこまで追い詰めるのか。超えてはならない線がどこにあるのか。組織変化がもっとも激しく進行する最適領域のすぐ横には「死の谷」が横たわってる死の谷に落ちる手前の崖っぷちに沿って、時々死の谷を覗き込みながら峠を目指して登っていく。経営経験の少ない人には、この淵がどおきにあるのか見えない。経営現場では手探りの状態だ。

失敗する改革では「企画チームが計画を立て、誰かにやらせる」形をとっているものが多い。プランを立てた人は批評者の立場を取るのである。実行者が自らの手で、苦しみ抜いて強烈な反省論を作り、戦略を策定し、業務プロセスの変革を企画し、そして、それをアクションプランに落とし込むことが重要。

改革リーダーの4人セット。お金と時間をくれるスポンサー。正しい打ち手を生む智のリーダー。軋轢を腕力で抑える力のリーダー。皆を率いてひたすら足を前に出す動のリーダー。

沈滞していた組織の中では、以前からのマイナスのモメンタムが作用し続ける。そこに社内の改革抵抗者の軋轢が加われば、マイナスのモメンタムはさらに加速する。これに対して、もし改革の思想、具体的実行シナリオ、リーダーが強力なら(この3つが揃わないといけないというのが改革の難しさ)やがて改革のプラスのモメンタムが動きはじめる。

しかし初めのうち、プラスのモメンタムは仮説に基づいて推進されているだけであって、しばらくは何の成果も見えない。これがもっとも危険な時期。この混沌とした時期が長引けば長引くほど改革リーダーの身に危険が迫る。

仮説は人々を不安にし、猜疑心を生む。大多数の社員は経営の先読みなどできない。それほどの経験も視野も与えられていないからである。だからリーダーは先読みを行い、決断し、皆に分かる言葉でそれを語り、不安と混沌の中を走り抜けなければならない。皆が分かっていないときに決断するリーダーは孤独になる宿命を負っている。改革がうまく進めば、やがてプラスのモメンタムがマイナスのモメンタムを凌駕しはじめ、改革追随者は改革推進者の側に動きはじめる。

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    • 「無知による機会損失は計り知れない。」

      機会損失とは、仮にある行動を取っていたら生まれたであろう利益を享受できない損失のことを言う。

      自分だけに与えられた、自分でしか歩めない道を歩んでいきたいと思う。
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